かるあ学習帳

この学習帳は永遠に未完成です

【インド哲学】『バガヴァッド・ギーター』をわかりやすく解説するよ!

f:id:amaikahlua:20180707215218j:plain

『バガヴァッド・ギーター』

上村勝彦訳

岩波文庫

1992年初版発行


みなさんは『バガヴァッド・ギーター』を読んだことがありますか?

『バガヴァッド・ギーター』ヒンドゥー教の代表的な聖典ですが、日本ではあまりよく知られていない書物だと思います。

ヒンドゥー教聖典というだけあって、『バガヴァッド・ギーター』には私たち現代の日本人には親しみのわかないことがたくさん書いてあります。

しかし、作中で偉大なクリシュナが説く現在への集中は、不安や後悔を取り払う素晴らしいアイデアだと思います。

今回はそんな『バガヴァッド・ギーター』について考察していきたいと思います。

 

カースト制度と戦争の肯定


『バガヴァッド・ギーター』は、パーンダヴァ軍とカウラヴァ軍が同族同士の戦争をしようとする場面から始まります。パーンダヴァ軍のアルジュナは、戦争で同族を殺さなければならないことを悲しみ、戦意を喪失します。なんと言いますか、冒頭からいきなり大ピンチです(汗)


戦場で同族を殺すことをためらうアルジュナに対して、なんとクリシュナは戦士としての戦いに専念するように説得します。クリシュナはアルジュナに、カースト制度(身分制度)によって決められた戦士としての義務を果たすことを勧めます。

 

「更にまた、あなたは自己の義務を考慮しても、戦慄くべきではない。というのは、クシャトリヤ(王族、士族)にとって、義務に基づく戦いに勝るものは他にないから」(二・三一)。

「苦楽、得失、勝敗を平等(同一)のものと見て、戦いに専心せよ。そうすれば罪悪を得ることはない」(二・三八)

 
戦争や殺人は良くないことだと教わっている私たち日本の現代人にとって、『バガヴァッド・ギーター』の教説はいささか野蛮に思えます。『バガヴァッド・ギーター』の問題点は、身分制度と戦争を肯定しているところだと私は思っています。『バガヴァッド・ギーター』はカントの『実践理性批判のように義務を重んじる哲学書ですが、普遍的に妥当する道徳法則ではなくローカルな身分制度に基づく義務を肯定しているので、そこから過激な結論が導き出されているかと思います。では次に、『バガヴァッド・ギーター』の良いところ、というか見どころを見ていきましょう。

 

現在への集中と強大なカーラ


クリシュナはアルジュナに、結果を気にせず戦士として戦うよう忠告します。『バガヴァッド・ギーター』の見どころは、成果主義の放棄です。成果主義の放棄が説かれる以下の教説は、とても格調高い文章です。

 

「あなたの職務は行為そのものにある。決してその結果にはない。行為の結果を動機としてはいけない。また無為に執着してはならぬ」(二・四七)。

アルジュナよ、執着を捨て、成功と不成功を平等(同一)のものと見て、ヨーガに立脚して諸々の行為をせよ。ヨーガは平等の境地であると言われる」(二・四八)。

 
勝敗や成功不成功などの結果を気にして行為すると、未来への不安が尽きません。そこでクリシュナは、欲望や執着を捨てて現在なすべき行為に集中し、心の平安を得るようにアルジュナに提案します。現在なすべき行為に集中することにより、未来への不安や過去への後悔を取り払うことができるのです。(参考文献:片岡啓「生老病死の苦界から」九州大学出版会『生と死の探求』所収、2013年)

 

「自己の義務の遂行は、不完全でも、よく遂行された他者の義務に勝る。自己の義務に死ぬことは幸せである。他者の義務を行うことは危険である」(三・三五)。


この教説は、読んでいてとても励みになりますね。完璧な仕事ができなくてもいいんです。肝心なのはカーストによって定められた自己の義務に専念することであり、他者の義務を行うことではないとクリシュナは言います。


第11章のクリシュナが強大なカーラとしての自分の姿を見せる場面も、格調高い文章で綴られています。

 

「私は世界を滅亡させる強大なるカーラ(時間)である。諸世界を回収する(帰滅させる)ために、ここに活動を開始した。たといあなたがいないでも、敵軍にいるすべての戦士たちは生存しないであろう」(十一・三二)。

「それ故、立ち上れ。名声を得よ。敵を征服して、繁栄する王国を享受せよ。彼らはまさに私によって、前もって殺されているのだ。あなたは単なる機会(道具)となれ。アルジュナ」(十一・三三)。 


補註によると、カーラという言葉には死や運命という意味もあるそうです。時間や死、運命に対する人間の卑小さを思い知らされます。強大なカーラであるクリシュナにとっては、アルジュナが殺すことをためらうカウラヴァ軍の同族たちも、たやすく殺すことのできる相手なのです。時間や死、運命の前には私たちは無力であり、私たちは強大なカーラに屈服するほかはないのです。

 

まとめ


インドにおけるカースト制度には問題点もあるのですが、カースト制度によって定められた義務に集中することによって得られる心の平安があるというのは興味深いことです。『バガヴァッド・ギーター』には不思議なことが色々書いてありますが、目に見える結果のためでなく、個人や人類よりも大きな存在であるクリシュナのために現在なすべきことを全力で行うという考え方は、とても崇高だと私は思っています。

【社会学】『自由からの逃走』の要約

f:id:amaikahlua:20180610131512j:plain

『自由からの逃走』
エーリッヒ・フロム(日高六郎訳)
1951年初版発行
 

社会学者の日高六郎先生が、6月7日に老衰でお亡くなりになりました。

日高先生の代表的な業績といえば、エーリッヒ・フロムの『自由からの逃走』の翻訳でしょう。
当ブログでは日高先生に哀悼の意を表し、日高先生の業績を読者の皆様に知っていただくために、日高先生が訳された『自由からの逃走』の要約を掲示させていただきます。
日高先生のご冥福をお祈りします。
 
『自由からの逃走』の要約は以下の通りです。
 
フロムは「序文」で、近代人は前個人的社会の絆から自由になったと述べます。近代人は自由の重荷からのがれて新しい依存と従属を求めるか、あるいは人間の独自性と個性にもとづいた積極的な自由の完全な実現に進むかの二者択一に迫られるそうです。

第一章は「自由ー心理学的問題か?」です。ファシズムが国民を魅惑した方法を理解するためには、われわれは心理的要素の役割を認めざるをえないとフロムは考えます。

第二章は「個人の解放と自由の多義性」です。個性化の過程において、個人が完全に解放される以前に存在する一連の絆を「第一次的絆」とフロムは呼びます。子どもが成長し、第一次的絆が次第にたちきられるにつれて、自由を欲し独立を求める気持が生まれてきます。子どもは個性化が進むにつれて強くなっていく一方、孤独が増大していきます。孤独な子どもは、権威への服従か自発的行動かの二者択一を迫られます。

第三章は「宗教改革時代の自由」です。中世社会の人間はまだ第一次的絆によって世界と結ばれていましたが、ルネッサンスの時代になると貴族とブルジョアは自由と孤独を得ます。ルッター主義とカルヴィニズムは、都市の中産階級や貧困階級、また農民にいきわたっていた無力と不安の感情とともに、自由と独立の新しい感情をも表現していました。

第四章は「近代人における自由の二面性」です。近代社会の機構は、同時に二つの仕方で人間に影響をあたえています。その二つの仕方というのは、人間はよりいっそう独立的・自律的・批判的になったことと、よりいっそう孤立した・孤独な・恐怖にみちたものになったことです。資本主義社会がもたらした孤独と無力の感情は、気晴らしをする一般の普通人にはおおいかくされています。

第五章は「逃避のメカニズム」です。マゾヒズム的な人間は劣等感・無力感・個人の無意味さの感情にとりつかれており、外側の権力によりかかろうとします。サディズム的人間は孤独感と無力感から逃れるために、他者を支配しようとします。サド・マゾヒズム的性格のうち、ことに神経症的ではなくて正常な人間をさすばあい、フロムは「権威主義的性格」と呼びます。権威主義的性格の人間は権威をたたえ服従しようとする一方、みずから権威となって他のものを服従させたいと願います。サディズムマゾヒズムの根底には対象との共棲がみられますが、破壊性は対象を除去しようとします。破壊性もまた、たえがたい個人の無力感や孤独感にもとづいています。孤独や無力を克服するために個人が自分自身であることをやめることを、フロムは「機械的画一性」と呼びます。近代社会において自動機械となった人々は、安定をもたらしてくれるような権威に、たやすく従属しようとします。

第六章は「ナチズムの心理」です。労働者階級や自由主義的およびカトリック的なブルジョアジーの消極的なあきらめの態度と対照的に、ナチのイデオロギーは下層中産階級によって熱烈に歓迎されました。ヒットラーのパースナリティ、かれの教説およびナチの組織は権威主義的な性格構造の極端な形態を表現しており、ヒットラーと同じような性格構造を持った民衆に強く訴えました。ヒットラーは大衆をサディズム的方法で軽蔑し愛し、神・運命・必然・歴史・自然にマゾヒズム的に服従しました。

第七章は「自由とデモクラシー」です。われわれの社会では、感情や思考、意志的行為における独創性が欠如しているとフロムは考えます。自発的な活動は、人間が自我の統一を犠牲にすることなしに、孤独の恐怖を克服する一つの道です。人間が社会を支配し、経済機構を人間の幸福の目的に従属させるときにのみ、また人間が積極的に社会過程に参加するときにのみ、人間は現在かれを絶望ー孤独と無力感ーにかりたてているものを克服することができると、フロムは結論づけています。

【ポケモンUSUM】バトルツリー50連勝するために必要な思考法。

f:id:amaikahlua:20180408141525j:plain

ポケモンUSUMのバトルツリーシングルで50連勝したので、50連勝するために必要な思考法をとりあえず忘れないうちに書いておきます。

私の50連勝パーティ

↓私は以下のポケモン3匹で50連勝しました。

f:id:amaikahlua:20180408141620g:plainf:id:amaikahlua:20180408141634g:plainf:id:amaikahlua:20180408141704g:plain

1匹目はカプ・コケコ。初手で出してエレキフィールドを張り、相手のゲンガーなどの催眠から自分のポケモンを守ります。
特性…エレキメイカ
性格…うっかりや(特攻特防
持ち物…ヒコウZ
努力値…CS252 残りA
このカプ・コケコはGTSで手に入れたものです。性格がうっかりやだったので「両刀にしたら強いんじゃないか」と思い、ヒコウZとブレイブバードを持たせてみました。3匹とも草タイプのポケモンに苦戦することが多かったので、そういうときはヒコウZを撃つことが多かったですね。レッドのフシギバナのように耐久の高いポケモンは流石に一撃では落とせませんでしたが(苦笑)、ゴウカザルのように耐久の低いポケモンならヒコウZでワンパンできました。面白半分で使ってみたポケモンですが、両刀コケコ、思った以上にいい活躍をしてくれました。
 
2匹目はミロカロス。カプ・コケコでは対処しきれないポケモンが出てきたときは、大人しくミロカロスに引いて受けます。命中率90%のどくどくはたまに外れますが、ミロカロスは耐久が高くて試行回数を稼げるので、そこまで気にはなりませんでした。
特性…ふしぎなうろこ
性格…ずぶとい(防御攻撃
持ち物…かえんだま
努力値…HB252 残りD
技…ねっとう/どくどく/じこさいせい/くろいきり
攻撃力の高いポケモンはねっとうでやけどにして、耐久の高いポケモンにはどくどくを撒きます。積み技を使ってくる相手にはくろいきりが有効です。特性のふしぎなうろことじこさいせいで、粘り強く居座れました。かえんだまで自分がやけど状態になることにより、ねむり状態やどく状態にならないところも強かったですね。50戦中かなりの量のポケモンをこのミロカロスで受けました。このミロカロスはとにかく強かった印象があります。
 
3匹目はガブリアス。コケコとミロカロスでできるだけ場を荒らして、最後にガブでとどめを刺すという感じでしたね。
特性…さめはだ
性格…ようき(素早さ特攻
努力値…AS252 残りH
技…じしん/げきりん/ほのおのキバ/がんせきふうじ
コケコとミロカロスナットレイに弱かったので、ナットレイの弱点を突くためにほのおのキバを採用しました。このガブについては…なんだろう、なぜかあんまり言うことがありませんね(笑)。

50連勝するために必要な思考法

私はバトルツリーで50連勝するにあたって、以下の3つのことを心がけました。

  1. 選出した3匹のポケモンは安易に切らずに大切に温存する
  2. 催眠対策をする
  3. 命中率90%以下の技はなるべく採用しない

では、1つ目の思考法から見ていきましょう。

「選出した3匹のポケモンは安易に切らずに大切に温存する」

レートバトルでは最初に相手が選出した6匹のポケモンが表示されるので、「相手のこのポケモンは自分のこのポケモンで倒せばよくて、自分のこのポケモンは相手のこのポケモンを倒したら捨てていい」といった戦略が立てやすいです。しかし、バトルツリーはレートバトルと違って、相手の手持ちポケモンがどんなポケモンなのかは実際のバトルをしながらでないとわかりません。相手のポケモンを順々に倒していって、最後に現れた3匹目のポケモンを見て「ああ、あのとき自分のあのポケモンを捨てなければ勝てたのに!」と思ってももう遅いです。ですから、自分が選出した3匹のポケモンを安易にひんしにせずに、できるだけバトルの最後まで大事にとっておくプレイングが必要になってきます。

2つ目の思考法は、

「催眠対策をする」

です。

バトルツリーには、さいみんじゅつを使うゲンガーやあくびをするサンダースなど、相手をねむり状態にしてくるポケモンが続々登場します。先ほど述べたように、バトルツリーでは自分が選んだ3匹のポケモンを戦闘不能にせずに温存するプレイングがとても重要なので、自分のポケモンを置物にしようとしてくる催眠ポケモンは非常に有害です。自分のポケモンがねむり状態になることは、そのポケモンが戦闘不能になるのとほぼ同義語だと私は考えています。ですから、催眠対策はしっかりしましょう。催眠対策に便利なのは、やはりエレキフィールドを張れるカプ・コケコ。コケコはバトルツリーでよく連れてこられるポケモンだと思いますが、それはやはりねむり状態を防止できるからでしょう。

3つ目の思考法は、

「命中率90%以下の技はなるべく採用しない」

勝っても負けてもいつまでも対戦を続けられるレートバトルと違って、バトルツリーでは負けた時点で挑戦がストップします。ですから、一戦一戦を確実に勝つプレイングが必要になってきます。一戦一戦を確実に勝つためには、こちらの攻撃を毎回外さずに当てていくことが重要です。そのため、命中率が不安な技をなるべくポケモンに覚えさせない方が良いと思います。この場を借りて言わせてもらいますが、バトルツリーで特に信用できない技は、とびひざげりです。とびひざげりの命中率は90%で、50回撃ったら5回は外れる計算になります。同じ技を何回も確実に当てないといけないバトルツリーで、とびひざげりを信用するのは危険だと私は思います。しかもとびひざげりを外すとダメージが自分のポケモンに来るので、自分のポケモンを大切に温存するプレイングが重要なバトルツリーでの過信はなおさら禁物です。私は最初の頃はバシャーモアマージョをバトルツリーで使っていましたが、とびひざげりを外して自滅することが多かったので今はもう使わなくなりました。

以上がバトルツリーシングルを50連勝した私が考えたことです。みなさんの参考になれば幸いです。なにかご意見・ご感想のある方はご気軽にコメント下さい。