かるあ学習帳

この学習帳は永遠に未完成です

文学

イェーツ「Vacillation」I節を読む~『燃えあがる緑の木』第二部を手がかりにして~

「Vacillation」(『対訳 イェイツ詩集』所収) イェーツ(高松雄一編) 岩波文庫 2009年初版発行 今回は、アイルランドの詩人・イェーツの詩「Vacillation(ヴァシレーション)」を解読します。「vacillation」という単語は、日本語では「動揺」「揺れ動く…

大江健三郎『燃えあがる緑の木』第二部のあらすじと解説

今回は大江健三郎の後期の大作『燃えあがる緑の木』第二部のあらすじと解説を掲載します。この小説は第二部から一気に論点が増えます。今回でその全てを語り尽くすことは不可能ですが、とりあえず語れるところまで語ってみましょう。 『燃えあがる緑の木 第…

大江健三郎『燃えあがる緑の木』第一部のあらすじと解説

今回は、日本人で2人目のノーベル文学賞作家・大江健三郎の代表作『燃えあがる緑の木』第一部のあらすじと解説を掲載します。先月、Eテレの「100分de名著」という番組で『燃えあがる緑の木』が取り上げられたので、この機会に番組の内容も考慮しつつ考察して…

ドストエフスキー『罪と罰』を読み解く~「7」からはじまる物語~

今回は、ロシアの文豪ドストエフスキーの代表作『罪と罰』を読み解きます。はじめにお礼申し上げますが、この記事はfufufufujitani様からの激励と承諾によって完成しました。fufufufujitani様、本当にありがとうございました。 『罪と罰(1~3)』 ドストエフス…

カミュ『異邦人』の考察~最後の一文編~

今回は、ノーベル賞作家アルベール・カミュの代表作『異邦人』の結末を解説します。なお、ベルナール・パンゴーの仮説については、N大学のT.H先生にメールで教えていただきました。T先生、お忙しいところ教えて頂きありがとうございました。 『異邦人』 アル…

宮沢賢治「よだかの星」批評~鮮やかな逆転~

今回は、宮沢賢治の童話「よだかの星」を批評します。いやその、試しに「シーシュポスの神話」を再読した感想を書いてみたんですが、色々な事情で下書きをボツにしてしまいまして…。そのため「シーシュポスの神話」の感想の代わりに、『青い空のカミュ』の作…

カミュ「不貞」批評~星空と不倫した女~

「不貞」(『転落・追放と王国』所収) アルベール・カミュ(窪田啓作訳) 新潮文庫 2003年初版発行 今回は、カミュのマイナーな短編小説「不貞」を批評します。この小説は一言で言うと、「人妻が星空と不倫する小説」ですw人妻が星空と不倫するとは、いった…

カミュ『異邦人』の考察~母への愛情編~

『異邦人』 アルベール・カミュ(窪田啓作訳) 新潮文庫 1954年初版発行 今回は、前回に引き続きカミュの小説『異邦人』の考察です。強烈な性格の持ち主である主人公・ムルソーが母親に対して抱いた愛情を考察してみます。 不可解な言動をする男 『異邦人』…

カミュ『異邦人』の考察~ムルソーの性格編~

『異邦人』 アルベール・カミュ(窪田啓作訳) 新潮文庫 1954年初版発行 私は最近、フランスのノーベル賞作家アルベール・カミュの小説を読んでいます。私はカミュの崇高な理念を理解するためにカミュの小説を読んでいる…のではなく、これから発売されるエロ…