かるあ学習帳

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『コップクラフト』第7話を観たぜ。~善人と悪人は住む世界が違う~

コップクラフトとかいうアニメの第7話が面白かったので、今回はその感想を書きます。

 
コップクラフト』の主人公は、マトバという刑事のオッサンと、ティラナという異世界からやってきた美少女です。はじめは生まれた世界や正義観の違いが原因で対立していた2人でしたが、今の2人はすっかり相棒の関係になりました。第7話では、高級売春クラブを利用していた怪しい政治家の素行が捜査されます。
 
マトバが捜査を続けている一方、ティラナはゾーイという娼婦と仲良くなります。ゾーイと仲良くなったことを喜ぶティラナですが、マトバはそのことに感心しません。マトバとティラナの会話は重要なので、引用します。
 
マトバ「いいかティラナ、捜査の対象に肩入れするな!
ティラナ「だが…」
マトバ「友達になんてなれないぞ。連中とは、住む世界が違うんだ!
 
マトバはすれたオッサンですが、仕事と私情を切り離して物事を考えることができるし、危なそうな人たちと馴れ合わない刑事としての高潔さがちゃんとある人なんだろうなあと思います。経験を積んでいろいろくたびれたり汚れたりしてるけど、マトバの心の根っこには正義がちゃんとあるんでしょうな。マトバはティラナに説教しますが、ティラナは反発します。
 
ティラナ「住む世界!?だったら私とお前は何なのだ?
マトバ「それは…別の話だ
ティラナ「別ではない!断じて別ではない!…私は、納得できない」
 
異世界からやってきたティラナは、地球人のマトバと仲良くなりました。だからティラナには、「住む世界が違う者同士でも仲良くなれる」という思いがあったのでしょう。世間知らずなティラナは、警察とは住む世界が違う娼婦のゾーイとも友達になれると思ってしまったんですね。
 
私が観た限り、マトバとティラナが仲良くなったのは、「マトバとティラナが2人とも正義の心を持った善人であり公人だから」という理由が大きいと思います。マトバとティラナは出身が違っても、2人とも善人であり公人だから仲良くなった。でも、公人のティラナと私人のゾーイは心根や立場が違うだろうから、仲良くするなんて論外だ!とマトバはティラナに言いたかったのでしょう。
 
結局ゾーイは悪人で、デートクラブの顧客データを政治家に販売していました。物語のラストで、ゾーイは殺し屋に射殺されます。友達だと思っていたゾーイを失ったティラナは、嘆き悲しみます。
 
マトバとティラナは「出身が違う」という意味で「住む世界が違う」2人でしたが、2人とも善人であり公人だったので、相棒になったのだと思います。一方、善人であり公人のティラナと悪人であり私人のゾーイは「心根が違う」「立場が違う」という意味で「住む世界が違う」2人だったので、結局親友になることができなかったんでしょうな。
 
第7話のラストは後味が悪いものでしたが、
「善人と悪人は住む世界が違うので、親友になるのは難しい」
という当たり前ながらも強い主張が込められた良いシナリオだと思いました。
また、
「悪人と親友になれなかったティラナは、まぎれもなく善人である」
ということもよく表れたお話だったと思います。