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『神速のゲノセクト ミュウツー覚醒』批評~もっと「過去」をください~

今回は、ポケモン映画第16作神速のゲノセクト ミュウツー覚醒(以下『覚醒』)を批評します。

 

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監督:湯山邦彦
脚本:園田英樹
(C)ピカチュウプロジェクト
2013年7月13日公開
おすすめ度:★★☆☆☆(題材は面白いのに、上手く活かされていない)
 

よかったところ

 
まず、正直に言わせてもらいますが、私はこの映画をあまり面白いと思いませんでした。でも、こう言いきってしまうのはかわいそうなので、この映画をできるだけ褒めてみようと思います。
 

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この映画には、ゲノセクトというポケモンが登場します。ゲノセクトはもともと3億年前に存在したポケモンなのですが、プラズマ団に復元され・改造されました。ゲノセクトプラズマ団の施設を脱出し、3億年前の故郷に帰ろうとします。ゲノセクトは、ミュウツーと同じく「人工的に作られたポケモンです。ですが、ミュウツーが「生物」らしい外見をしている一方、ゲノセクトは「機械」のような外見をしているところは大きな違いだと思いました。この違いは面白いと思いました。
 
3億年前の故郷に帰り、邪魔なポケモンを排除しようとするゲノセクトに対して、ポケモンの庇護者であるミュウツーは説教します。ミュウツーの説教には、この映画が言いたいことが集約されていると思いました。

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ミュウツー「私も、あなたも、この星に生まれたポケモン必要があるから生まれた。この星に生きている。人間も、ポケモンも。すべてが仲間。私たちは、みんな仲間なのです
ゲノセクト「みんな、仲間…」
ポケモン映画第1作『ミュウツーの逆襲』では、生命の生存が肯定されていました。続くポケモン映画第2作『ルギア爆誕』では、生物の共存が肯定されていました。『覚醒』ミュウツーの説教では〈生存〉と〈共存〉が肯定されていて、初期のポケモン映画に近いメッセージを感じました。
 

わるかったところ

 
次に、この映画を観て私が不満に思ったところを挙げてみます。
 
その1:ミュウツーの声に違和感がある
この映画に出てくるミュウツーの声は、高島礼子さんが担当しています。『ミュウツーの逆襲』『ミュウツー!我ハココニ在リ』に出てくるミュウツーの声は市村正親さんが担当しており、『覚醒』のミュウツーは『逆襲』『我ハココニ在リ』ミュウツーとは(おそらく性別が違う)別個体ということになっています。上から目線の市村ミュウツーの声に慣れた私は、ですます口調の高島ミュウツーの声に違和感を覚えました。いくらなんでもミュウツーのイメージが変わりすぎでしょw
 
その2:ゲノセクトに対する掘り下げが浅い

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ゲノセクトは復元・改造された3億年前のポケモンです。この映画ではゲノセクトがかつて生きていた3億年前の世界やゲノセクトを復元する実験の様子が描かれるのかな?と私は思っていたのですが、この映画ではゲノセクトの過去が驚くほど描かれていませんでした。ゲノセクトの過去を掘り下げたらもっと面白い映画になりそうだったのに、掘り下げが浅くて残念だと思いました。
 
その3:メガシンカという題材が十分に活かされていない

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この映画のミュウツーは、メガミュウツーYという姿にメガシンカ(パワーアップ)できる設定になっています。ですが、この映画では「ミュウツーメガシンカできるようになった理由」が全く描かれていなかったので不満でした。*1メガシンカしたミュウツーの描写も割と地味で、盛り上がりに欠けました。せっかくメガシンカという当時としては新しい題材があったんだから、「ミュウツーが新しい姿にパワーアップできる」という設定をもっと上手く活かして欲しかった。
 
…全体的に、ゲノセクトミュウツーを形成した「過去」に関する描写が足りないせいで、シナリオに奥行きがなく浅く感じられた。過去シーンや回想シーンは、シナリオに奥行きを出すのに重要な役割を担っているんだな、と思いました。
 
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↑この方の感想は私にとても近いです。

*1:前日譚である『ミュウツー 覚醒への序章』でも、ミュウツーメガシンカできるようになった理由が描かれていませんでした。