私が初めて『逆転裁判5』をプレイしたのは、
『逆転裁判5』
(C)CAPCOM
2013年7月25日発売
おすすめ度:★★★★☆(1~3程ではないが、 普通に良作だと思う)
爽快な「ムジュン」探し
『逆転裁判5』は、 主人公の弁護士が依頼人を無罪にするために法廷で論戦を繰り広げ る「法廷バトル」ゲームです。 このゲームには色々な面白さがありますが、特に面白いのは「 ムジュン」探しでしょう。 裁判所で証人が語る証言のおかしな箇所を探して、 そこに異議を唱える。ムジュンを暴かれた証人は追い詰められ、 弁護士と検事は舌戦を交わす。ムジュンを暴くのは爽快! 派手な論戦は熱い!
学生時代の私は、単純に娯楽のために『逆転裁判』 シリーズをプレイしていました。この歳になって改めて『 逆転裁判5』をプレイしてみると、 このゲームは結構な脳トレになるなあと思います。 推理やムジュン探しは頭を使うので、脳が鍛えられます。 このゲームで行われるムジュン探しは、 ネット上にあるおかしな情報に騙されないための良い訓練になると 思いますね。
インターネットには、『逆転裁判』の証言みたいに「 一見するとマトモそうに見えるけど、 よく考えるとオカシイところがある情報」が数多く存在します。 あからさまにオカシイ情報には、 誰もそう簡単には騙されませんよ。問題なのは、 一見すると実にマトモそうに見える情報です。 こうした情報に騙されて恥をかかないようにするための思考法が、 『逆転裁判』をプレイしていると身に付くと思うんですよね。 なんて為になるゲームなんだ!
暗黒時代から近未来へ
『逆転裁判5』では、「法の暗黒時代」
『逆転裁判5』の世界観は、近未来や科学の発展を感じさせます。 希月弁護士は「ココロスコープ」という装置を使い、 心理分析を行います。第4話、 第5話は宇宙センターが舞台になっており、 ロボットなんかも登場する。『逆転裁判1~3』 は霊媒師とかが出てくる関係で少しオカルトを感じさせる作 風だったのですが、『逆転裁判5』 は科学にぐっと寄り添った感じがしました。まあ、 第2話には妖怪が登場しますけどw
「法の暗黒時代」と「近未来」が同居している関係上、『 逆転裁判5』では「暗い過去から明るい未来へと進んで行こう」 というメッセージが語られます。『逆転裁判5』をクリアすると、 明るい未来へ向かっていく元気が貰えます。
「暗い過去から明るい未来へと進んで行こう」 というメッセージは、前作『逆転裁判4』 の不評から生まれたのではないかと私は推測しています。『 逆転裁判4』 はシナリオやキャラクターデザインなどの出来が悪く、 ファンの間で低評価されている作品です。某所で「不朽の駄作」 と評価されていて、思わず笑ってしまいました。『逆転裁判4』 は逆転裁判シリーズの暗黒時代を産み出した悪作であり、 そこから何とか頑張って這い上がろう!という思いが『 逆転裁判5』の制作スタッフにはあったのではないか…… と私には思えてならないのです。その制作スタッフの思いが、『 逆転裁判5』のシナリオに婉曲に反映されているんじゃないかなw
真面目な秀才たちによる良作
「『逆転裁判』は1~3が傑作」という意見をよく見かけます。 私もその通りだと思います。『逆転裁判1~3』 はシナリオライター巧舟さんによる天才的なシナリオや激アツなB GM等が素晴らしく、ゲーム史上に残る傑作だと思います。正直、 巧舟さんが制作に関与していない『逆転裁判5』は『1~3』 よりは面白くないと思います。『逆転裁判1~3』は「 陽気な天才巧舟が産み出した傑作」ですが、『逆転裁判5』 はせいぜい「真面目な秀才たちによる良作」だと思います。
『逆転裁判5』 はつまらないという意見をいくつか見かけましたが、 私は普通に良作だと言える程度には面白いと思いました。『 逆転裁判5』のテキストは巧舟さんに文体を似せてありますし、 作り手の高度な論理的思考力を感じさせます。 第2話で妖怪の正体が二転三転するのには驚きましたし、 第4話の酸素ボンベの目盛りのくだりは「すげーなー」 と心底思いました。 ユガミ検事はとても良いキャラだと思いますし、 大河原センター長も濃くて好きですw
『逆転裁判5』の第5話(最終話) は真犯人が非現実的なレベルの身体能力や変装能力を持っていて、 読んでちょっと萎えました。でも、 第5話には未来に向かって前向きに進んで行くための力強いメッセ ージが溢れています。この熱いメッセージ、 しかと受け止めました。 何かとんでもない失敗をして黒歴史を刻んでも、 私たちは未来へと「逆転」できる。『逆転裁判4』 の奈落から這い上がった『逆転裁判5』がその証拠品だ。くらえ!
〈追記〉