かるあ学習帳

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TV版エヴァ最終話考察~「他人に好かれることに慣れる」という発想~

TV版新世紀エヴァンゲリオン最終話世界の中心でアイを叫んだけもの」を、私は久し振りに再視聴しました。この最終話は「主人公・シンジの心を癒やすための対話が怪しい自己啓発セミナーみたいで不快だ」「作画のクオリティが悪く、制作現場の苦しまぎれが伝わってくる」といった、ヲタクたちの容赦無い批判に晒され続けてきました。こうした批判は正直ごもっともだと思いますが(笑)、今の私はこの最終話を褒めまくりたい気分です。
 
なぜならこの最終話では、「他人に好かれることに慣れる」という、素晴らしい思想が語られているからであります。
 

「他人に好かれることに慣れていない」主人公

碇シンジ失敗することが怖く、他人に嫌われることが怖かったので、恐怖から逃げようとしました。シンジは自分は価値の無い人間だと思っており、エヴァに乗ると他人が褒めてくれるから」という理由で、エヴァンゲリオンパイロットを続けました。シンジは自分のことが嫌いで、他人も自分のことを嫌っていると思っていたので、自分にはエヴァしかない」とも思っていました。
 
しかしシンジは最終話で他のメインキャラと心の対話を続けているうちに「現実は悪くないかもしれない」と思えるようになり、自分の狭苦しい世界観から脱出します。
 

シンジ
「僕は僕が嫌いだ。」
「でも、好きになれるかもしれない。」
「僕はここにいてもいいのかもしれない。」
「そうだ。僕は僕でしかない。
僕は僕だ。僕でいたい!
僕はここにいたい!
僕はここにいてもいいんだ!!
 
上記のシンジのセリフはヲタクの間で非常に有名ですし、この後シンジがみんなに「おめでとう」と祝福されるのも有名な場面ですね。でもね……この最終話を久し振りに観ると、シンジが解脱する前にゲンドウが言った言葉のほうが心に染みるんですよ。
 

ゲンドウ
ただ、お前は人に好かれることに、慣れていないだけだ。
 
ゲンドウによると、シンジは「人に好かれることに慣れていない」そうなんですが、この言葉って微妙に違和感がありますよね。大方の視聴者は「シンジは人前で失敗するのに慣れていない」「シンジは他人に傷付けられることに慣れていない」とかいった印象を持っている気がしますが、人に好かれることに慣れていない」とは、一体どういうことでしょうか??
 

「他人に好かれることに慣れる」とはどういうことか

TV版エヴァ第4話では、ヤマアラシのジレンマ」という術語が出てきます。「ヤマアラシのジレンマ」というのはショーペンハウアーのマイナーな小話が出典になっておりまして、「他人に近付きたいけど他人と傷付け合うのが怖い」という葛藤を意味しています。シンジは他人に嫌われることを怖れ、自分は他人に嫌われていると思っていたので、重度のヤマアラシのジレンマに悩まされていました。
 
こう書くと、「シンジは主人公なのに心が弱すぎる。人間関係は傷付け合って当たり前よ。シンジは傷付け合うことを怖れず、他人に傷付けられることに慣れたほうがいい!」と批判したくなる人が大勢現れると予想されます。でも皆さん、待ってください。
 

シンジは、とても心が弱い主人公です。しかも筋肉も全然無いモヤシみたいな男なので、シンジに「人間関係は傷付け合って当然だ」という正論を直接投げつけると、彼はなおさら他人と関わるのが怖くなる可能性があります。じゃあ、どうすればいいのでしょうか?答えは簡単です。
 
シンジは、他人に好かれることに、慣れればいいのです。
 
確かに人間関係は傷付け合って当たり前ですし、シンジが嫌いな人間もけっこう多いと思います。しかしおそらく、全人類がシンジのことを嫌っているとは、到底考えられません。世の中には色んな好みの人が存在しますので、シンジのことが好きな人も一定数確保されていると思います。そして今までシンジのことが嫌いだった人も、シンジと関わっているうちにシンジのことが好きになるかもしれません。
 
「僕は自分のことが嫌いだ。みんなも自分のことを嫌っている。」と思うと生きるのが苦しくなり、他人と関わるのが嫌になってきます。そこで自分のことが好きな人の存在を知り、他人に好かれることに慣れる必要があるのです。他人に好かれることに慣れれば、「少なくとも〈みんな〉〈全員〉は自分のことを嫌っていない」と思えるようになれます。
 

ですから、シンジのように「嫌い」という感情に毒された人間は、「他人に好かれることに慣れる」ことによって、前向きに生きられるようになるのです。
 

「引きこもり」の対義語は「お泊まりデート」説

2年前、仮面ライダーセイバー』の主演俳優・内藤秀一郎さんがユーチューバー「かす」さんの自宅にお泊まりデート」しているということが、文春砲によって暴露されました。子供たちの模範となるべき仮面ライダーの主演俳優が、あろう事か番組が完結していない序盤にお泊まりデートとは!内藤さん、主演の自覚なさ過ぎじゃね??とヲタクたちは酷評しました。内藤さんはいったい、どうしてこんな軽率な行動に出てしまったのでしょうか?
 
答えは簡単です。内藤さんはかすさんのことが好きで、かすさんは内藤さんのことが好きだったからに決まっていると私のゴーストが囁いています。自宅の外に自分のことが好きな彼女が存在すれば、我々から見たら呆れるようなお泊まりデートをするために外を出歩くようになりうるのが男という生き物です。内藤さんは外見がイケメンで演技力もある俳優なので、シンジとは違って「他人に好かれることに慣れている」のでしょう。なので内藤さんは他人に嫌われるのが怖くて家に引きこもる」どころか、美人過ぎるユーチューバーが俺のことを好きだから泊まりに出動する」ことができるのだと思います。
 

この記事を書いているうちに内藤さんのことが何となく羨ましくなってきたので、私は、私を自分の家に泊めてくれるネットアイドルを絶賛大募集中です!!!!!!!!(←出会い厨やパパ活おじさんを凌駕する最悪の発想)