かるあ学習帳

この学習帳は永遠に未完成です

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『夢幻廻廊』考察第一段階~マゾヒズムと社会~

今回から、ゲーム・文学・哲学・社会学などについて言及しながら、マゾヒズムについて考察していく。マゾヒズムと言うと、鞭でしばかれたり踵で踏まれたりして喜ぶ変態性欲を想起して、嫌な顔をされるかもしれない。しかし、私が追求したいのは人間の心に宿…

大江健三郎『人生の親戚』感想とか解説とか

『人生の親戚』 大江健三郎 新潮文庫 1994年8月1日初版発行 悲しみ、それは人生の親戚。 この小説には『人生の親戚』という不思議な題名が付いていますが、人生の親戚とは一体何なのか。この小説では、悲しみとは「どのような境遇にある者にもつきまとう、あ…

村上龍『69 sixty nine』書評~徹底化された反骨精神~

『69 sixty nine』 村上龍 文春文庫 2007年8月10日初版発行 反権力な自伝的小説 『69』は、1969年に高校生だった村上龍のまわりで起こった事の一部を描いた小説です。この小説の登場人物は、ほぼ全員が実在の人物だそうです。つまり『69』は、村上龍の自伝の…

ブンガクとしての『逆転裁判2』~その感想と考察~

amaikahlua.hatenablog.com 前回は『逆転裁判 蘇る逆転』を「オトナの世界」を物語るブンガクとして読み解いてみた。今回は『逆転裁判2』をブンガク的に読み解いてみたい。 『逆転裁判2』 2002年10月18日発売(GBA) (C)CAPCOM 闇を精算し、バトンを渡す 『逆…

『逆転裁判 蘇る逆転』感想と考察~これは「オトナの世界の物語」だ~

『逆転裁判 蘇る逆転』 2005年9月15日発売 (C)CAPCOM 天才的なまでの完成度を誇る傑作 久し振りに『逆転裁判 蘇る逆転』を再プレイした。『逆転裁判』は、弁護士と検事が法廷で論戦を繰り広げる「法廷バトル」ゲームである。他のアドベンチャーゲームとは色…