かるあ学習帳

この学習帳は永遠に未完成です

思想

東浩紀『存在論的、郵便的』第一章の感想と要約

私は今、東浩紀の博士論文『存在論的、郵便的』を読んでいる。とりあえず第一章「幽霊に憑かれた哲学」を読み終わったので、勉強用に書いた感想と要約をここに晒しておく。私は在野のオタクに過ぎないので、感想と要約に変な箇所があっても許してクレメンス…

三島由紀夫「一九七〇年 富士山麓の兵舎より」解説と考察みたいなもの

『新潮』とかいう雑誌の5月号に、三島由紀夫が川端康成に送った手紙が掲載されていた。三島由紀夫は『豊饒の海』という不可解な小説を書いた後、これまた不可解な理由で切腹自殺したことで知られる文豪である。しかし、今回の『新潮』に載せられた手紙を補助…

不安とはなにか~ハイデガー・終ノ空remake・芥川龍之介~

私は最近、不安について考える事が多い。とりあえず考えがまとまったので、今回は不安について書いてみようと思う。私が参照するのはハイデガーの哲学、ノベルゲーム『終ノ空remake』、芥川龍之介の文学である。 「不安」と「怖れ」の違い ハイデガーは主著…

宮台真司『終わりなき日常を生きろ』書評feat.『終ノ空』~「終わりなき日常」編~

社会学者・宮台真司は『終わりなき日常を生きろ』で、オウムと現代社会を考察しました。今回は宮台氏の超重要キーワード「終わりなき日常」について考えていこうと思います。 『終わりなき日常を生きろ』 宮台真司 ちくま文庫 1998年3月24日初版発行 「終わ…

宮台真司『終わりなき日常を生きろ』書評~「さまよえる良心」編~

社会学者・宮台真司の『終わりなき日常を生きろ』では、オウムと現代社会が考察されています。この本のキーワードは、「さまよえる良心」と「終わりなき日常」です。今回はこれら2つのキーワードのうち、「さまよえる良心」に的を絞って考えていこうと思いま…

ショーペンハウアー批判~緩やかな欲望と共に生きろ~

『意志と表象としての世界III』 ショーペンハウアー 西尾幹二訳 中公クラシックス 2004年10月10日初版発行 ショーペンハウアーとかいう哲学者の主著『意志と表象としての世界』を読み終わった。ショーペンハウアーは仏教から影響を受けた哲学者で、意欲(欲…

『バガヴァッド・ギーター』解説

『バガヴァッド・ギーター』は、ヒンドゥー教の代表的な聖典です。未来への不安や過去への後悔を取り払うことができる、素晴らしいアイデアが記されています。 『バガヴァッド・ギーター』 上村勝彦訳 岩波文庫 1992年初版発行 あらすじ 『バガヴァッド・ギ…

ビートたけし『たけしの死ぬための生き方』書評

芸人や司会者、映画監督として超有名なビートたけし。たけしは1994年にバイクで自損事故を起こし、重傷を負いました。たけしは生きるか死ぬかの境目をさまよった末に、奇跡の生還を果たします。『たけしの死ぬための生き方』には、バイク事故から生還した当…

【ヲタクの殴り書き】僕の考えた「テン年代批評」。

最近、Twitterで興味深いツイートを見付けたので引用する。 『ゼロ年代の想像力』で新たなパラダイムを提示した宇野氏がその後10年代のアニメの話よりも宮崎・富野・押井のを扱う作家論(『母性のディストピア』)に向かったことが象徴的だが、僕らは2010年代…

宇野常寛『ゼロ年代の想像力』書評

『ゼロ年代の想像力』 宇野常寛 ハヤカワ文庫 2011年初版発行 ・単なる「趣味語り」に留まらない現代社会論 今回は『ゼロ年代の想像力』とかいう本の書評をします。『ゼロ年代の想像力』は、批評家・宇野常寛のデビュー作です。『ゼロ年代の想像力』という物…

『論理哲学論考』の論考~個はその集団を語り得ない~

元号が令和になってから、私たちの常識では考えられないような理不尽な出来事がずいぶん起こるようになったなあと思う。京都アニメーションのスタジオが放火されたり。超大型の台風が日本に上陸したり。新型コロナウイルスで世界中に死者が出たり。 こうした…

入不二基義『ウィトゲンシュタイン 「私」は消去できるか』読書記録

今回は、入不二基義先生の『ウィトゲンシュタイン 「私」は消去できるか』の読書記録を書きます。論点が多い本だったので、私にとって特に有用だった前半の箇所を独断で選んで要旨を晒しますw 『ウィトゲンシュタイン 「私」は消去できるか』 入不二基義 NHK…

『論理哲学論考』の論考~世界はなにでできている?~

さっそく、『論理哲学論考』の冒頭を読んでみましょう。ウィトゲンシュタインは、「世界」とは「事実」の総体だと定義しています。 一、世界は成立していることがらの総体である。 一・一、世界は事実の総体であり、ものの総体ではない。*1 例えば「ウィトゲ…

『論理哲学論考』の論考~なぜ今、『論理哲学論考』なのか?~

明けましておめでとうございます。 新年が始まったことを機に、これからこのブログで『論理哲学論考』の読書記録を綴ろうと思います。テキストは岩波文庫の野矢茂樹訳『論理哲学論考』を、副読本は角川選書の古田徹也著『ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考…

マルクス・ガブリエル『なぜ世界は存在しないのか』の要約

最近、ボン大学のマルクス・ガブリエル教授の哲学を勉強しています。今回は、ガブリエルの主著『なぜ世界は存在しないのか』の要約を掲載します。ついでに、『なぜ世界は存在しないのか』を読み解くのに役立ちそうな情報も書き添えておきます。 『なぜ世界は…

マルクス・ガブリエル『なぜ世界は存在しないのか』書評~新実在論は現実をどう変えるのか~

今回は、ボン大学のマルクス・ガブリエル教授によるベストセラー哲学書『なぜ世界は存在しないのか』を解説します。 『なぜ世界は存在しないのか』 マルクス・ガブリエル(清水一浩訳) 講談社選書メチエ 2018年初版発行 虚構と現実の区別を解体する 私が『…

【哲学】人間の意志は理性的であると同時に感性的である。

『知覚・言語・存在 メルロ=ポンティ哲学との対話』 円谷裕二 九州大学出版会 2014年発行 この本はフランスの哲学者メルロ=ポンティの思想を解説する学術書です。非常に難解な本で、第一章から第十一章までの内容は私にはほとんど理解できませんでした。です…

【インド哲学】『バガヴァッド・ギーター』をわかりやすく解説するよ!

『バガヴァッド・ギーター』 上村勝彦訳 岩波文庫 1992年初版発行 みなさんは『バガヴァッド・ギーター』を読んだことがありますか? 『バガヴァッド・ギーター』はヒンドゥー教の代表的な聖典ですが、日本ではあまりよく知られていない書物だと思います。 …

【社会学】『自由からの逃走』の要約

『自由からの逃走』 エーリッヒ・フロム(日高六郎訳) 東京創元社 1951年初版発行 社会学者の日高六郎先生が、6月7日に老衰でお亡くなりになりました。 日高先生の代表的な業績といえば、エーリッヒ・フロムの『自由からの逃走』の翻訳でしょう。 当ブログで…