かるあ学習帳

この学習帳は永遠に未完成です

2020-01-01から1年間の記事一覧

さよならTwitter、ようこそ素晴らしき日々。

新型コロナウイルスが猛威を振るう2020年が終わろうとしていますね。 2020年は、私個人にとっても災難が多い1年間でした。 特にTwitterで災難に巻き込まれる事が多く、Twitterをやめた事が私にとって大きな出来事でした。 岡村靖幸の「あの娘ぼくがロングシ…

1999年版『終ノ空』考察解説まとめ

『終ノ空』 シナリオ:SCA-自 原画:SCA-自、基4%、にのみー隊長 (C)ケロQ 1999年8月27日発売

『終ノ空』琴美END考察~終わりなき日常を生きろ~

今回は『終ノ空』の琴美ENDを考察する。音無彩名に関する情報が出揃っていないため、少し締まりの無い考察になった事をお許し下さい。 『終ノ空』 シナリオ:SCA-自 原画:SCA-自、基4%、にのみー隊長 (C)ケロQ 1999年8月27日発売 音無彩名ちゃんの消失 行人…

『終ノ空』彩名END考察~一寸先は奈落~

今回は『終ノ空』の彩名ENDを考察する。彩名ENDは今日に至るまであまり考察されてこなかったように思う。彩名ENDの深淵を探りたい。 『終ノ空』 シナリオ:SCA-自 原画:SCA-自、基4%、にのみー隊長 (C)ケロQ 1999年8月27日発売 一寸先は奈落 学校の噂や間宮…

『終ノ空』考察~続・呪われた生と祝福された生~

amaikahlua.hatenablog.com (今回は前回の続きです) 雑踏の思索 行人は街の雑踏の中で、こう考えます。 我々は生まれた瞬間に、 死を約束されているのだ。 これを、呪いといわずして、何を呪いといえるのか。 この呪いをまともに受け入れてしまった人間に…

『終ノ空』考察~呪われた生と祝福された生~

最近、「生まれてこない方が良かった」という思想……反出生主義が思想界で話題になっていますね。「この世は地獄。生まれてこない方が良い」という呪いの言葉には迫力がありますが、反出生主義は決して万人受けする思想にはならないでしょう。その理由の一つ…

『終ノ空』考察~高島ざくろと間宮卓司~

今回は『終ノ空』の主要登場人物である高島ざくろと間宮卓司について考察する。正気の人間である行人や琴美とは対照的に、ざくろと卓司は狂気に陥った。ざくろと卓司は、語り得ぬものについて語った。そしてざくろと卓司は、世界の終末の到来を信じた。 『終…

『終ノ空』考察~水上行人と若槻琴美~

今回は『終ノ空』の主要登場人物である水上行人と若槻琴美について考察する。行人と琴美は幼なじみの関係である。狂気に陥った卓司やざくろとは対照的に、行人と琴美は正気の人間である。そして行人と琴美は、世界の終わりが到来しないことを信じたい側の人…

僕は…君に…『終ノ空』の話を…してあげよう…。

いきなり暗い話題で恐縮ですが……今年は新型の疫病が流行したり、芸能人が相次いで自殺したりと、穏やかではない年ですね。こういうご時世になると、私にはプレイしたくなるゲームがあります。そのゲームの名は『終ノ空』。『終ノ空』は、世界の終わりや集団…

ミヒャエル・エンデ『モモ』を最後まで読んだ。

『モモ』 ミヒャエル・エンデ(大島かおり訳) 岩波書店 1976年初版発行 「時間節約」批判 ミヒャエル・エンデの『モモ』には、「灰色の男たち」という不気味な侵略者が登場します。灰色の男たちは巧みな弁舌で町の人々をまるめこみ、時間を節約するよう説得…

ミヒャエル・エンデ『モモ』第二部を読んだ。

前回は『モモ』第一部の感想を書いたので、今回は『モモ』第二部の感想を書きます。今回は構成の都合上、『モモ』の重大テーマである「時間の節約」について書くことができませんでした。時間の節約については次回書く予定です。 『モモ』 ミヒャエル・エン…

ミヒャエル・エンデ『モモ』第一部を読んだ。

先月、NHKEテレの「100分de名著」で、『モモ』という児童文学が取り上げられました。で、試しに『モモ』を読んでみたのですが、かなり読み応えがありました。この本の対象年齢は「小学5,6年以上」らしいのですが、小学校高学年でこのお話を理解するのは難し…

『Maggot baits』灰とダイヤモンドEND考察~行為が世界を変える~

『Maggot baits』 シナリオ:昏式龍也、栗栖 原画:はましま薫夫、のりざね (C)CLOCKUP 2015年11月27日発売 貫かれた信念が意味を与える 『Maggot baits』灰とダイヤモンドENDを考察するに当たって、無名の魔女の次の発言が重要になってくるだろう。ある人の…

『Maggot baits』レビュー~箱庭の中の蛆虫たち~

今回は、18禁ゲーム『Maggot baits』をレビューします。このゲームは、グロテスクな描写に満ちたグロゲーです。キャラクターの首や手足がもげたり、キャラクターが虐殺されたりする場面がしこたまあります。 私は少し前まで、18禁ゲームで一番グロい作品はブ…

大江健三郎「死者の奢り」のあらすじと解説

「死者の奢り」は、大江健三郎の文壇デビュー作です。大江は『文学界』に「死者の奢り」を発表し、作家としての活動を本格的にスタートしました。 「死者の奢り」(『死者の奢り・飼育』所収) 大江健三郎 新潮文庫 1959年初版発行 (この記事はかなり長くな…

『バガヴァッド・ギーター』解説

『バガヴァッド・ギーター』は、ヒンドゥー教の代表的な聖典です。未来への不安や過去への後悔を取り払うことができる、素晴らしいアイデアが記されています。 『バガヴァッド・ギーター』 上村勝彦訳 岩波文庫 1992年初版発行 あらすじ 『バガヴァッド・ギ…

ビートたけし『たけしの死ぬための生き方』書評

芸人や司会者、映画監督として超有名なビートたけし。たけしは1994年にバイクで自損事故を起こし、重傷を負いました。たけしは生きるか死ぬかの境目をさまよった末に、奇跡の生還を果たします。『たけしの死ぬための生き方』には、バイク事故から生還した当…

ブロガーバトンに張り切って回答するよ!

驚いた事に、私の元にブロガーバトンが回ってきました。 こんな世界の片隅みたいなブログにも、バトンが回ってくるものなのさ。 せっかくの晴れ舞台ですから、張り切って回答せねば…ッ! 回してくださった方 devkg(デーヴ)さん(id:devkg) devkgmksmk.hatenab…

「カオナシ」とはなにものだったのか?~影、または虚栄心~

『千と千尋の神隠し』に登場するカオナシは、正体不明の存在として描かれています。『千と千尋の神隠し』を観てもカオナシとはなにものだったのかがよくわからなかったという方は多いのではないでしょうか。結論から先に言わせて貰いますが、カオナシは「影…

美少女ゲーム考察奮闘記~始動編~

いきなり私事で恐縮ですが、このブログの記事数が前回でちょうど100記事になりました!そして、『SWAN SONG』の考察も前回で終了することにしました。今回はちょうど良い機会ですから、私が今までに書いてきた美少女ゲームの考察を振り返ってみようかなっと…

『SWAN SONG』トゥルーENDを再評価する。

18禁ノベルゲーム『SWAN SONG』には、2つの結末が用意されています。「教会END」と「トゥルーEND」です。教会ENDは悲劇的な結末を圧倒的な迫力で描いており、読み物としての評価が高いです。一方、トゥルーENDはささやかな生活芝居をあっさりした文章で紡い…

『SWAN SONG』教会ENDの考察

ノベルゲーム『SWAN SONG』には、「教会END」と「トゥルーEND」と呼ばれる2通りの結末が用意されています。今回は教会ENDを考察します。 『SWAN SONG』 シナリオ:瀬戸口廉也 原画:川原誠 (C)2005 SWAN SONG製作委員会 2005年7月29日発売 (ここから先には…

『SWAN SONG』考察~キャラ配置編~

今回から、18禁ノベルゲーム『SWAN SONG』を考察します。業界最高峰のシナリオライター・瀬戸口廉也の代表作であり、ゼロ年代ノベルゲームの金字塔である『SWAN SONG』。 『SWAN SONG』 シナリオ:瀬戸口廉也 原画:川原誠 (C)2005 SWAN SONG製作委員会 2005…

『仮面ライダーゼロワン』第1話と『言葉の魂の哲学』~言語と体験について~

今回は古田徹也著『言葉の魂の哲学』を参照しながら、『仮面ライダーゼロワン』第1話を考察します。『仮面ライダーゼロワン』第1話を、「言語」と「体験」という観点から語ってみようと思います。 『仮面ライダーゼロワン』第1話では、売れないお笑い芸人の…

『ポケモンレンジャーと蒼海の王子マナフィ』批評~水と母性の物語~

今回は、ポケモン映画第9作『ポケモンレンジャーと蒼海の王子マナフィ』(以下『マナフィ』)をレビューします。ちょっとしたレビューですので、気軽におつきあいください。 『ポケモンレンジャーと蒼海の王子マナフィ』 監督:湯山邦彦 脚本:園田英樹 (C)…

『ミュウと波導の勇者ルカリオ』批評~厨二、人情、歴史~

今回は、ポケモン映画第8作『ミュウと波導の勇者ルカリオ』(以下『ルカリオ』)を批評する。 『ミュウと波導の勇者ルカリオ』 監督:湯山邦彦 脚本:園田英樹 (C)ピカチュウプロジェクト 2005年7月16日公開 おすすめ度:★★★★☆(少年漫画のような熱さ。男の…

【ヲタクの殴り書き】僕の考えた「テン年代批評」。

最近、Twitterで興味深いツイートを見付けたので引用する。 『ゼロ年代の想像力』で新たなパラダイムを提示した宇野氏がその後10年代のアニメの話よりも宮崎・富野・押井のを扱う作家論(『母性のディストピア』)に向かったことが象徴的だが、僕らは2010年代…

個人的に好きになれない名作『コインロッカー・ベイビーズ』

『新装版 コインロッカー・ベイビーズ』 村上龍 講談社文庫 2009年初版発行 私は、村上龍の小説『コインロッカー・ベイビーズ』が好きではありません。どちらかと言うと嫌いです。なぜなら、この小説の想像力は「ダサい」とまでは思いませんが悪い意味で「古…

『フロレアール』考察~僕たちは独りじゃない~

『フロレアール~すきすきだいすき~』 シナリオ:元長柾木 原画:あんみつ草 (C)13cm 1999年7月発売 「独り遊び」の絶望 大昔の美少女ゲーム『フロレアール』の主人公・ジャンは、物語の終盤で絶望と孤独に満ちた独り言をつぶやきます。 「……神父をやってた…

『フロレアール』考察~「神」に挑んだ男~

『フロレアール~すきすきだいすき~』 シナリオ:元長柾木 原画:あんみつ草 (C)13cm 1999年7月発売 今回は、知る人ぞ知る美少女ゲーム『フロレアール』における「神」の存在について考察します。 「神」への挑戦 「僕とメルンがいるこの世界は、神によって…