かるあ学習帳

この学習帳は永遠に未完成です

アニメ

『月曜日のたわわ』第一話の演出は、日本語の文法に似ている。

結論から先に言おう。アニメ『月曜日のたわわ』第一話の演出は、日本語の文法に似ていると私は思った。「カメラから語り手の存在感を除外しながら、自分を卑下して相手を崇拝する」という点で、『月曜日のたわわ』第一話と日本語文法は似ているのだ。 ちなみ…

減速主義バブル経済アニメとしての『妖怪ウォッチ』第11話「妖怪ムダヅカイ」

youtu.be 私はTVアニメ版『妖怪ウォッチ』第11話Aパート「妖怪ムダヅカイ」をYoutubeで無料視聴し、大きな衝撃を受けた。なぜならこのアニメでは「消費者の心理を1980年代バブル期まで減速させることにより、経済消費を加速させる」という、先鋭的な経済トリ…

減速主義コメディーとしての『妖怪ウォッチ』第9話「ロボニャン始動!」

いきなりステマみたいな話で恐縮ですが、今Youtubeの「コロコロチャンネル」でTVアニメ版『妖怪ウォッチ』が全話無料で配信されている。『妖怪ウォッチ』は、一昔前にあのポケモンをぶっこ抜く勢いの社会現象を起こしたことで知られるコンテンツである。 私…

TV版エヴァ最終話考察~「他人に好かれることに慣れる」という発想~

TV版『新世紀エヴァンゲリオン』最終話「世界の中心でアイを叫んだけもの」を、私は久し振りに再視聴しました。この最終話は「主人公・シンジの心を癒やすための対話が怪しい自己啓発セミナーみたいで不快だ」「作画のクオリティが悪く、制作現場の苦しまぎ…

『異世界おじさん』とサンプリングされたセガの亡霊たち

今、『異世界おじさん』とかいうアニメが毎週放送されている。『異世界おじさん』は多数派のトレンドを逆手に取るようなアクロバティックな面白さがあるアニメで、続きが気になる作品である。 『異世界おじさん』の主人公「おじさん」は、17歳~34歳までの17…

「史上最悪のトゲピー!」考察~カオスからコスモスへの加速~

youtu.be 2009年9月10日に放送されたテレビアニメ版ポケモン「史上最悪のトゲピー!」は、伝説的な「カオス回」としてヲタクの間で知られている。この回には他者を罠に陥れることを楽しむトゲピーとかいうポケモンが登場し、史上最悪のトゲピーの悪意に善人…

「でんげきたいけつ!クチバジム」批評~アメリカ的マチズモVSニホン的カワイイ~

youtu.be 初代アニメ版ポケモン第14話「でんげきたいけつ!クチバジム」は、ポケモンを考察する上で非常に重要な回である。なぜならこの回では、主人公サトシの相棒・ピカチュウが進化しない理由が説明されているからだ。さらに私が視聴したところ、この回で…

「ポケモン!きみにきめた!」批評~遅刻から始まる冒険~

www.youtube.com 今回はTVアニメ版ポケモン第1話「ポケモン!きみにきめた!」を批評します。この記念すべき第1話では主人公・サトシとピカチュウの出会いが描かれるのですが、今観ても面白いお話ですねー。特に、「原作ゲームのシナリオとは大幅に異なる脚…

ポケモン映画の歴史を語る~『ミュウツーの逆襲』から『ココ』まで~

自分のブログだから思い切ったことを言わせて下さい。ポケモンは「ヤマト」「ガンダム」「エヴァ」に続く「第四の社会現象」だと私は思っています。SF色の強い「ヤマト」「ガンダム」「エヴァ」とポケモンは作風が異なりますが、ポケモンというコンテンツは9…

『幻影の覇者ゾロアーク』批評~映像は映像を語る~

『幻影の覇者ゾロアーク』(以下『幻影の覇者』)は、ポケモン映画第13作品です。端的に言って、この映画は傑作だと思う。この作品は映画という映像メディアであり、尚且つ映像倫理について考えさせられる物語でもあります。『幻影の覇者』は、言わば「映像…

『ポケットモンスター ココ』批評~野生児は未来を目指す~

『ポケットモンスター ココ』(以下『ココ』)は、ポケモン映画第23作品です。この映画は「野生児と野生ポケモンの共存」という異色のシチュエーションで始まります。ですが、話が進むにつれて自然環境を破壊する悪役が現れ、従来のポケモン映画でも見たこと…

『ビクティニと白き英雄レシラム』批評~現実という大地を生きろ~

『ビクティニと白き英雄レシラム』(以下『白き英雄』)は、ポケモン映画第14作品です。この映画では「海」と「空」と「大地」に象徴的な意味が付与されていると思いました。なお、『ビクティニと白き英雄レシラム』は『ビクティニと黒き英雄ゼクロム』と同…

『ポケットモンスター みんなの物語』批評~2つのアンサー~

『ポケットモンスター みんなの物語』(以下『みんなの物語』)は、ポケモン映画第21作品です。『みんなの物語』では、フウラシティという街で6人の個性的な主役が活躍します。ラルゴ、リサ、トリト、カガチ、ヒスイ、そして相変わらずの主人公サトシ。この…

『破壊の繭とディアンシー』批評~関係性のダイナミズム~

『破壊の繭とディアンシー』(以下『破壊の繭』)は、ポケモン映画第17作品です。『破壊の繭』は、長らくポケモン映画の脚本を務めてきた園田英樹さん最後の長編ポケモン映画です。結論から先に言うと、この映画は非常に優秀な群像劇で、園田さんは最後に凄…

『光輪の超魔神フーパ』批評~「お取り寄せ時代」への提言~

『光輪の超魔神フーパ』(以下『光輪の超魔神』)は、ポケモン映画第18作品です。この映画は、グラードンや黒いレックウザみたいな伝説のポケモンが大量に出現する「伝説祭り」で有名な映画です。正直、伝説のポケモンをいっぱい集めてお茶を濁してるだけの…

『ボルケニオンと機巧のマギアナ』批評~頑固オヤジの二元論~

『ボルケニオンと機巧のマギアナ』は、ポケモン映画第19作品です。この映画の見せ場は、空中要塞でのメガシンカしたポケモン軍団とのバトルでしょうか。ダイナミックな作画にワクワクしました。ですが、私はこの映画があまり好きではありません。なぜならこ…

『ポケットモンスター キミにきめた!』批評~連鎖する「特別」と「例外」~

『ポケットモンスター キミにきめた!』(以下『キミにきめた!』)は、ポケモン映画20周年記念作品である。この映画では主人公・サトシが「特別な人間」として描かれていると思うし、特別で例外的な出来事の連鎖がこの物語を支えていると思った。今回は「特…

『キュレムVS聖剣士ケルディオ』批評~ゲーム外の敗者~

ポケモン映画『キュレムVS聖剣士ケルディオ』(以下『ケルディオ』)を観て、私は大きな衝撃を受けました。 『ケルディオ』はポケモン映画15周年記念作品であり、小学館創業90周年記念企画です。ポケモン映画5周年記念作品『水の都の護神』、10周年記念作品…

『結晶塔の帝王』考察~自己保存から現実に帰れ~

「自己犠牲」から「自己保存」へ ママ「サトシ!見てたわよ!なんて危ないことするの!」 カスミ「でも、サトシは、この世界を救ったんですよ?」 ママ「それがなんなの?あなたはまだ子供なんだから、無茶はダメ!世界を救う?命がけでする事?サトシがいな…

ポケモン映画と自己犠牲

「自己犠牲からの復活」という伝統 劇場版ポケットモンスターでは、「自己犠牲からの復活」というモチーフが繰り返し現れる。ポケモン映画第1作『ミュウツーの逆襲』では、ポケモンとコピーポケモン同士の痛々しい戦いを、主人公・サトシが自分を犠牲にして…

「ニャースのあいうえお」考察~メタ存在者の悲しみ~

www.youtube.com 今、Youtubeでポケットモンスター第72話「ニャースのあいうえお」が公式に無料配信されている。「ニャースのあいうえお」では、ロケット団のニャースの過去が明かされる。今回は「ニャースのあいうえお」を考察していきたい。 映画『ミュウ…

『ミュウツーの逆襲』考察完全版~ニャースとは何者か~

amaikahlua.hatenablog.com 物語を考察する際に、物語の主役ではなく脇役に焦点を当てると考察がはかどる場合があります。例えば『千と千尋の神隠し』の主人公は千尋ですが、主役の千尋ではなく脇役のカオナシの行動に注目したら物語をより深く理解できると…

「カオナシ」とはなにものだったのか?~影、または虚栄心~

『千と千尋の神隠し』に登場するカオナシは、正体不明の存在として描かれています。『千と千尋の神隠し』を観てもカオナシとはなにものだったのかがよくわからなかったという方は多いのではないでしょうか。結論から先に言わせて貰いますが、カオナシは「影…

『ポケモンレンジャーと蒼海の王子マナフィ』批評~水と母性の物語~

今回は、ポケモン映画第9作『ポケモンレンジャーと蒼海の王子マナフィ』(以下『マナフィ』)をレビューします。ちょっとしたレビューですので、気軽におつきあいください。 『ポケモンレンジャーと蒼海の王子マナフィ』 監督:湯山邦彦 脚本:園田英樹 (C)…

『ミュウと波導の勇者ルカリオ』批評~厨二、人情、歴史~

今回は、ポケモン映画第8作『ミュウと波導の勇者ルカリオ』(以下『ルカリオ』)を批評する。 『ミュウと波導の勇者ルカリオ』 監督:湯山邦彦 脚本:園田英樹 (C)ピカチュウプロジェクト 2005年7月16日公開 おすすめ度:★★★★☆(少年漫画のような熱さ。男の…

『七夜の願い星 ジラーチ』批評~小さきものに贈る壮大な物語~

ポケモン映画第6作『七夜の願い星 ジラーチ』(以下『ジラーチ』)は、園田脚本ポケモン映画の最高傑作の一つだと思います。子供たちやかつて子供だった大人たちへのメッセージが溢れる素晴らしい映画だった。 『七夜の願い星 ジラーチ』 監督:湯山邦彦 脚…

『水の都の護神 ラティアスとラティオス』批評~新機軸の導入について~

今回は、ポケモン映画第5作『水の都の護神 ラティアスとラティオス』(以下『水の都』)を批評します。この作品は2017年に行われた人気投票「推しポケモン映画ナンバーワンはキミにきめた!」で1位に輝いた作品です。ファンの皆さんの間で強く支持されている…

『セレビィ 時を超えた遭遇』批評~タイムパラドックスの憂鬱~

今回は、ポケモン映画第4作『セレビィ 時を超えた遭遇』(以下『遭遇』)を批評します。ポケモン映画第1作『ミュウツーの逆襲』から第3作『結晶塔の帝王』までは首藤剛志さんがメインで脚本を担当していましたが、『遭遇』からは園田英樹さんがメインで脚本…

『ミュウツーの逆襲』再考~ニャースの本質について~

ポケモン映画第1作『ミュウツーの逆襲』では、遺伝子操作によって誕生したポケモン・ミュウツーの「逆襲」が描かれます。ミュウツーはこの映画を代表するポケモンですが、この映画はニャースの本質をさりげなく描いた作品でもあると思います。今回はニャース…

『裂空の訪問者 デオキシス』批評~奥行きのある世界~

今回は、ポケモン映画第7作『裂空の訪問者 デオキシス』(以下『裂空の訪問者』)を批評します。いきなり嫌な話になるのですが…この映画はネットでの評判があまり良くないです。某匿名掲示板のつまらなかったポケモン映画を挙げるスレとかで、この映画が酷評…