かるあ学習帳

この学習帳は永遠に未完成です

ゲーム(18禁)

『美少女万華鏡』シリーズ全体の総括と考察みたいなもの

『美少女万華鏡』シリーズ(全5話)は、2011年に第1話が発売されて2020年に完結した。このシリーズは、テン年代の約10年間を駆け抜けた作品群である。『美少女万華鏡』シリーズには、もちろんテン年代的な感性が多分に投影されている。今回は『美少女万華鏡…

『ONE~輝く季節へ~』感想や考察みたいなもの

『ONE~輝く季節へ~』は、初期の麻枝准と久弥直樹が脚本を担当した恋愛ゲームです。麻枝さんは後に『CLANNAD』『リトルバスターズ!』などの超話題作を創造したヒットメーカーとして名を馳せ、現在も精力的に活動なさっています。久弥さんも別名義でウルトラ…

『美少女万華鏡 理と迷宮の少女』考察~愛は全てを繋ぐ~

『美少女万華鏡』第5話「理と迷宮の少女」は、『美少女万華鏡』シリーズの最終話です。この第5話は最終話なだけあってシナリオがかなり長く、内容もシリーズの集大成として申し分無い出来でした。ただ、話が長めなぶんだけプレイしていて若干ダレる所があり…

『美少女万華鏡 罪と罰の少女』考察~父殺しの天才~

『美少女万華鏡』第4話「罪と罰の少女」は、全5話の中で一番完成度が高いと思います。美少女ゲームの中にはしばしば並の純文学よりも大きな感動を与える作品が存在しますが、この第4話はまさしくその典型だと思います。中原中也やドストエフスキー、ランボー…

『美少女万華鏡 神が造りたもうた少女たち』考察~有限性の後で~

『美少女万華鏡』第3話「神が造りたもうた少女たち」の舞台は、パンデミックによる滅亡を迎えた後の未来の世界です。コロナ禍が発生するよりも前の2015年に発売されたのに、先見の明が感じられる作品ですね。全5話のうち、この第3話だけ世界観が極度のSF寄り…

『美少女万華鏡 忘れな草と永遠の少女』考察~抑圧されたものの回帰~

今回は『美少女万華鏡』第2話「忘れな草と永遠の少女」を考察します。第2話は第1話と比べて明らかにシナリオが高度になっています。しかし、第2話でも「万華鏡を覗く夏彦が永遠の快楽の世界の片鱗をひとときだけ体験する」という定石は維持されていました。…

『美少女万華鏡 呪われし伝説の少女』考察~ひとときの永遠~

『美少女万華鏡』は、テン年代を代表する美少女ゲームです。このゲームは全5話からなる作品ですが、分割商法により一話ずつ断続的に発売されました。このゲームの特色は、話数が進むにつれてシナリオがどんどん高度になっていく所です。私はこのゲームのシナ…

『青い空のカミュ』超考察~表層の偶然/深層の必然~

『青い空のカミュ』 シナリオ・原画:〆鯖コハダ (C)KAI 2019年3月29日発売 私たちKAIは美少女ゲームが持つ表現性を追求したく。 新たなプロダクトをスタートします。 l'art de la fille アートとしての美少女ゲームをKAIは創造します。 (KAI公式HPより) …

『魔女こいにっき』感想と考察~夢を砕かれたなら物語ればいい~

しかし選ばなければならない。生きるか、物語るかだ。(ジャン=ポール・サルトル『嘔吐』より) 『魔女こいにっき』 シナリオ:新島夕、博恵夏樹、佐藤礼 原画:狗神煌、朝倉はやて、小桜りょう、白もち桜 (C)Qoobrand 2014年5月30日発売 今回は『魔女こいに…

美少女ゲーム考察奮闘記~無限編~

前回『無限煉姦』の批評を書き終わったので、今回は今までの美少女ゲーム考察の統括を行います。今回振り返るのは『Maggot baits』『終ノ空』『夢幻廻廊』『無限煉姦』の4本です。 ・『Maggot baits』の考察 amaikahlua.hatenablog.com amaikahlua.hatenablo…

題名からは想像できないくらい真面目なゲーム『無限煉姦』批評。

今回は『無限煉姦~恥辱にまみれし不死姫の輪舞~』とかいうノベルゲームを批評する。おそらく皆さんの中には、『無限煉姦~恥辱にまみれし不死姫の輪舞~』というタイトルを見てドン引きした人が少なくないだろう。「こんなゲーム、どうせキモヲタクが性欲…

『論理哲学論考』と『終ノ空』琴美END~有限のなかの無限とはなにか~

本稿では『終ノ空』琴美ENDの結末における「有限のなかの無限」について考察する。恥ずかしながら、私は琴美ENDのラストを十分に理解していない。しかし「有限のなかの無限」については語れる自信があるので、語ることにしよう。 終わりなき日常を生きろ 琴…

ニーチェと『終ノ空』琴美END~無限のなかの有限とはなにか~

1999年版『終ノ空』琴美ENDは、ニーチェ哲学と密接な関係を持っている。今回はニーチェを補助線にして『終ノ空』琴美ENDを解読しよう。キーワードは「プラトニズムの逆転」「パースペクティビズム」「永遠回帰」「運命愛」である。 プラトニズムの逆転とパー…

『夢幻廻廊』考察第三段階~天国への弁証法的螺旋階段~

誠に勝手ながら、『夢幻廻廊』の考察を、今回でとりあえず中断することにした。色々世知辛い理由があるので、理由は聞かないでくれ。今回は、『夢幻廻廊』の時間観を考察する。『夢幻廻廊』の時間は平面的に見ると円環時間であり、立体的に見るとおそらく螺…

『夢幻廻廊』考察第二段階~運命とは隣人~

私が好きなゲームキャラに、『夢幻廻廊』の志乃がいる。志乃は仕事ができない人で、とても辛い過去を背負っているのだが、いつまでも仕事ができないままなのに幸せになることができた人である。 『夢幻廻廊』 シナリオ:伊藤ヒロ、他 原画:椎咲雛樹 (C)Blac…

『夢幻廻廊』考察第一段階~マゾヒズムと社会~

今回から、ゲーム・文学・哲学・社会学などについて言及しながら、マゾヒズムについて考察していく。マゾヒズムと言うと、鞭でしばかれたり踵で踏まれたりして喜ぶ変態性欲を想起して、嫌な顔をされるかもしれない。しかし、私が追求したいのは人間の心に宿…

『埴谷雄高』と『終ノ空』~「白昼の人」と「夜の人」~

『埴谷雄高』 鶴見俊輔 講談社文芸文庫 2016年1月8日初版発行 哲学者が立ち止まる所で、文学者は進む 哲学者の鶴見俊輔は、『埴谷雄高』という本を書いている。鶴見はこの本で埴谷雄高について考察し、埴谷と対談している。埴谷雄高(はにや・ゆたか)という…

1999年版『終ノ空』考察解説まとめ

『終ノ空』 シナリオ:SCA-自 原画:SCA-自、基4%、にのみー隊長 (C)ケロQ 1999年8月27日発売

『終ノ空』琴美END考察~終わりなき日常を生きろ~

今回は『終ノ空』の琴美ENDを考察する。音無彩名に関する情報が出揃っていないため、少し締まりの無い考察になった事をお許し下さい。 『終ノ空』 シナリオ:SCA-自 原画:SCA-自、基4%、にのみー隊長 (C)ケロQ 1999年8月27日発売 音無彩名ちゃんの消失 行人…

『終ノ空』彩名END考察~一寸先は奈落~

今回は『終ノ空』の彩名ENDを考察する。彩名ENDは今日に至るまであまり考察されてこなかったように思う。彩名ENDの深淵を探りたい。 『終ノ空』 シナリオ:SCA-自 原画:SCA-自、基4%、にのみー隊長 (C)ケロQ 1999年8月27日発売 一寸先は奈落 学校の噂や間宮…

『終ノ空』考察~続・呪われた生と祝福された生~

amaikahlua.hatenablog.com (今回は前回の続きです) 雑踏の思索 行人は街の雑踏の中で、こう考えます。 我々は生まれた瞬間に、 死を約束されているのだ。 これを、呪いといわずして、何を呪いといえるのか。 この呪いをまともに受け入れてしまった人間に…

『終ノ空』考察~呪われた生と祝福された生~

最近、「生まれてこない方が良かった」という思想……反出生主義が思想界で話題になっていますね。「この世は地獄。生まれてこない方が良い」という呪いの言葉には迫力がありますが、反出生主義は決して万人受けする思想にはならないでしょう。その理由の一つ…

『終ノ空』考察~高島ざくろと間宮卓司~

今回は『終ノ空』の主要登場人物である高島ざくろと間宮卓司について考察する。正気の人間である行人や琴美とは対照的に、ざくろと卓司は狂気に陥った。ざくろと卓司は、語り得ぬものについて語った。そしてざくろと卓司は、世界の終末の到来を信じた。 『終…

『終ノ空』考察~水上行人と若槻琴美~

今回は『終ノ空』の主要登場人物である水上行人と若槻琴美について考察する。行人と琴美は幼なじみの関係である。狂気に陥った卓司やざくろとは対照的に、行人と琴美は正気の人間である。そして行人と琴美は、世界の終わりが到来しないことを信じたい側の人…

僕は…君に…『終ノ空』の話を…してあげよう…。

いきなり暗い話題で恐縮ですが……今年は新型の疫病が流行したり、芸能人が相次いで自殺したりと、穏やかではない年ですね。こういうご時世になると、私にはプレイしたくなるゲームがあります。そのゲームの名は『終ノ空』。『終ノ空』は、世界の終わりや集団…

『Maggot baits』灰とダイヤモンドEND考察~行為が世界を変える~

『Maggot baits』 シナリオ:昏式龍也、栗栖 原画:はましま薫夫、のりざね (C)CLOCKUP 2015年11月27日発売 貫かれた信念が意味を与える 『Maggot baits』灰とダイヤモンドENDを考察するに当たって、無名の魔女の次の発言が重要になってくるだろう。ある人の…

『Maggot baits』レビュー~箱庭の中の蛆虫たち~

今回は、18禁ゲーム『Maggot baits』をレビューします。このゲームは、グロテスクな描写に満ちたグロゲーです。キャラクターの首や手足がもげたり、キャラクターが虐殺されたりする場面がしこたまあります。 私は少し前まで、18禁ゲームで一番グロい作品はブ…

美少女ゲーム考察奮闘記~始動編~

いきなり私事で恐縮ですが、このブログの記事数が前回でちょうど100記事になりました!そして、『SWAN SONG』の考察も前回で終了することにしました。今回はちょうど良い機会ですから、私が今までに書いてきた美少女ゲームの考察を振り返ってみようかなっと…

『SWAN SONG』トゥルーENDを再評価する。

18禁ノベルゲーム『SWAN SONG』には、2つの結末が用意されています。「教会END」と「トゥルーEND」です。教会ENDは悲劇的な結末を圧倒的な迫力で描いており、読み物としての評価が高いです。一方、トゥルーENDはささやかな生活芝居をあっさりした文章で紡い…

『SWAN SONG』教会ENDの考察

ノベルゲーム『SWAN SONG』には、「教会END」と「トゥルーEND」と呼ばれる2通りの結末が用意されています。今回は教会ENDを考察します。 『SWAN SONG』 シナリオ:瀬戸口廉也 原画:川原誠 (C)2005 SWAN SONG製作委員会 2005年7月29日発売 (ここから先には…