美少女ゲーム考察奮闘記〜永遠編〜
このブログのメインコンテンツである美少女ゲーム考察が区切りの 良い所まで進みましたので、今回は今までの考察を振り返ります。
・『魔女こいにっき』
『魔女こいにっき』は、愛する人と結ばれず、 夢が叶わなかった人たちのための物語だと思います。 PC版の真エンディングでは夢が叶わなかった人間の悲痛な叫びが 響いていて、私はこの結末をとても気に入りました。 私はこの記事を書いていた時、 学生の頃に思い描いていた理想が全く実現せず、 深い悲しみに陥っていました。「 現実に負けないためにフィクションを創作する」という思想を、 私は『魔女こいにっき』とサルトルの『嘔吐』から学びました。 Vita版にはPC版には無い結末が用意されているようですが、 私はPC版の真エンディングだけでもう、満腹気分なのです。
・『青い空のカミュ』
私は『青い空のカミュ』を全力で考察した結果、「 このゲームのシナリオには大きな欠陥がある」 という結論に至りました。 このゲームはグラフィックもシナリオも真心を込めて丁寧に作られ ているのですが、残念ながらシナリオが「名作」 と呼べる域に達していないと思う。このゲームは「 全ての出来事には必然性が無い」 という実存主義思想を語っていますが、 この思想はメタ的なプログラムに支配されたビデオゲームという媒 体と相性が悪すぎると思う。「 ビデオゲームで実存主義思想を表現する」 という基本コンセプトがダサいので、『青い空のカミュ』 は二流の作品だと私は考えています。
・『美少女万華鏡』シリーズ
私はこの『美少女万華鏡』シリーズの考察を、 このブログの新たな目玉コンテンツにしたいと思っていました。『 美少女万華鏡』シリーズはヲタクの間で人気が高く、 シナリオもグラフィックもレベルが高い。 このゲームは第一話から最終話(第五話)に進むにつれて、 シナリオがどんどん高度になっていく所が頼もしかった。 最終話は内容が濃厚でボリュームもあったけど、 第四話が文芸作品として良くまとまっていたので私は気に入った。 でもこの『美少女万華鏡』シリーズの考察、 私が期待したよりはアクセス数が大して伸びなかった(笑)。
・『ONE〜輝く季節へ〜』
『ONE』は、美少女ゲーム史上の古典とも言える作品です。 操作性とグラフィックが現代人から見たら酷すぎるレベルでしたが (苦笑)、ストーリーはとても良かったです。「全ては夢だ」「 夢と現実の区別は付けられない」というありがちな思想ではなく、 「全ては現実だ」というメッセージを語っている所が、 今見てもすごく斬新でした。しかしこのゲーム、 有識者による先行研究の質が悪いせいで、 長い間誤解されているように私には思える。 近いうちにリメイクが発売されるらしいので、 このゲームは悪質な先行研究を振り切って再評価されて欲しい。
↑あ、コレのことね。
・『新妻LOVELY× CATION』
私のブログ記事は長文になりやすいのですが、 このゲームの記事は久しぶりに2000字以内に収まりました。 ゲームの大まかな内容を短文で要約した末に、今話題の「 異次元の少子化対策」と絡めたオチに繋げられたので、 私は大満足です。記事の反響もおかげさまでかなり良くて、 この記事を書いて良かったなと私は心から思いました。
私が今回考察した一連の美少女ゲームは、「永遠」 がテーマになっている作品が多いと思います。『魔女こいにっき』 は、日記の中に永遠に閉じ込められた、片思いの物語。『 美少女万華鏡』は、万華鏡の中から垣間見える、永遠の愛の世界。 『ONE』は、永遠の世界との向き合い方について、 考えさせられる作品。『青い空のカミュ』と『新妻LOVELY× CATION』もこじつけを言えば「永遠」 と関係があると言えそうだけど、無理をするのは止そうw。