かるあ学習帳

この学習帳は永遠に未完成です

「史上最悪のトゲピー!」考察~カオスからコスモスへの加速~

youtu.be 2009年9月10日に放送されたテレビアニメ版ポケモン「史上最悪のトゲピー!」は、伝説的な「カオス回」としてヲタクの間で知られている。この回には他者を罠に陥れることを楽しむトゲピーとかいうポケモンが登場し、史上最悪のトゲピーの悪意に善人…

加速主義SFとしての『劇場版仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE』

最初に言っておく。『劇場版仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE』(以下、劇場版カブト)は、人類には早すぎた加速主義SF映画だと私は思っている。劇場版カブトでは、TV版と同様に、仮面ライダーが加速装置「クロックアップシステム」を用いた戦闘を行う。さ…

『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』が描いた「地上波では放送できない純愛」の構造

『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』は『仮面ライダー龍騎』の後日談で、『龍騎』本編から17年後の2019年での殺し合いを描いた作品である。この『RIDER TIME 龍騎』は地上波では放送されず、ビデオパスでネット配信された。脚本を担当した井上敏樹さんは「地上…

『仮面ライダーセイバー』最終章考察~物語の結末は、視聴者も決める!~

『仮面ライダーセイバー』は特撮ヲタクの間で評判が悪い作品だけど、最終章がとても面白かった。この最終章は、私が観てきた仮面ライダーシリーズの最終回の中で5本の指に入る名作だと思っている。ちなみに私は『シン・エヴァンゲリオン』と『SSSS.DYNAZENON…

『仮面ライダーセイバー』第46章が語る芸術作品の根源

『仮面ライダーセイバー』(以下『セイバー』)は、特撮ヲタクの間で非常に評判が悪い作品である。この作品には10人以上の仮面ライダーが登場するのだが、明らかに無駄なライダーが多い。しかも現代・15年前・2000年前の出来事が複雑に絡み合う脚本が不親切…

ブログマスコットキャラクター・はわわちゃん誕生っっっ!!

今回は前回の続きで、アニメ系ドールの世界を取材した結果を報告します。 生々しい話をすると、前回の記事は何となくモヤモヤした結果に終わりました。 アニメ系ドールはヲタクや女児にとって親しみが沸きやすそうな外見をしているので、皆さんの多くにも楽…

アニメチック人形の世界を探索する男。

私は今年の初めに、人形(命名:無為美ちゃん)を買いました。 無為美ちゃんは通称「リアル系ドール」と呼ばれる種族でして、顔の造形がかなり生身の人間に寄せて作られています。 私は中学生の頃から専らリアル系ドールに興味があり、人形はリアル系しかチ…

『美少女万華鏡』シリーズ全体の総括と考察みたいなもの

『美少女万華鏡』シリーズ(全5話)は、2011年に第1話が発売されて2020年に完結した。このシリーズは、テン年代の約10年間を駆け抜けた作品群である。『美少女万華鏡』シリーズには、もちろんテン年代的な感性が多分に投影されている。今回は『美少女万華鏡…

「でんげきたいけつ!クチバジム」批評~アメリカ的マチズモVSニホン的カワイイ~

youtu.be 初代アニメ版ポケモン第14話「でんげきたいけつ!クチバジム」は、ポケモンを考察する上で非常に重要な回である。なぜならこの回では、主人公サトシの相棒・ピカチュウが進化しない理由が説明されているからだ。さらに私が視聴したところ、この回で…

『終末のワルキューレ』と令和の世相~終末の未来とサンプリングされる過去~

youtu.be 『終末のワルキューレ』とかいう漫画を、最新の15巻まで読み終わった。この漫画は脳筋気味なバトルとかなり単純なストーリー展開が特徴的な作品で、知的な人に小馬鹿にされる恐れがある内容だと思った。しかし私は、この漫画はある意味で「令和の世…

死んだおばーちゃんと人形の完成された美しさを語る男。

死体と人形には完成された美しさがあるよねっていう話 今年の4月、私のおばーちゃんが死にました。

教養としての『ワリオランド1~3』~記号だけの快楽~

ニンテンドー3DSのダウンロード販売(バーチャルコンソール)でワリオランドシリーズを遊んでみたら面白かったので、今回はその感想を書きます。 『スーパーマリオランド3 ワリオランド』 ワリオランドシリーズは、スーパーマリオシリーズの派生作品として誕…

諏訪哲史『アサッテの人』メタ意識の節度を考えるための書評

諏訪哲史の『アサッテの人』は、村上龍の『限りなく透明に近いブルー』以来31年ぶりに群像新人文学賞と芥川賞をダブル受賞した小説である。しかし私が読んだ限り、『アサッテの人』は『限りなく透明に近いブルー』とは多くの点で対照的な作品だと感じた。『…

村上龍『限りなく透明に近いブルー』考察という営みを批判する考察

今回は、村上龍のデビュー作『限りなく透明に近いブルー』を考察する。本稿は単なる考察ではなく、「考察という営みを批判する考察」である。『限りなく透明に近いブルー』は主人公・リュウの「観察」に基づく小説であり、露骨に考えさせられるようなメッセ…

『ONE~輝く季節へ~』感想や考察みたいなもの

『ONE~輝く季節へ~』は、初期の麻枝准と久弥直樹が脚本を担当した恋愛ゲームです。麻枝さんは後に『CLANNAD』『リトルバスターズ!』などの超話題作を創造したヒットメーカーとして名を馳せ、現在も精力的に活動なさっています。久弥さんも別名義でウルトラ…

三島由紀夫『午後の曳航』あらすじや解説みたいなもの

文豪・三島由紀夫は、三十三歳で結婚した。しかし三島の面白いところは、結婚しても小説の作風が丸くならず、相変わらず「攻めた」活動を続けたところである。『不道徳教育講座』という不謹慎な本を書いたり、映画の主演をしたり、『宴のあと』という小説を…

後期ハイデガーのサルトル批判~存在神秘は「実存は本質に先立つ」よりも先立つ~

一昔前に流行ったサルトルとかいう哲学者は、実存主義者でした。サルトルの実存主義では、人間の本質は生まれつき決定されておらず、私たちは自分で自分を「作る」ことができるとされています。 ジャン=ポール・サルトル(1905~1980) というのは、もし私ども…

物語に「ストーリー性」は絶対必要なのだろうか?

note.com note.com 物語に「ストーリー性」は絶対必要なのだろうか。本稿で言うストーリー性とは、物語の構成や筋書きのような「骨組み」のことだと思って欲しい。例えばドストエフスキーやトーマス・マン、宮沢賢治の代表作には数理的なまでに計算された構…

『美少女万華鏡 理と迷宮の少女』考察~愛は全てを繋ぐ~

『美少女万華鏡』第5話「理と迷宮の少女」は、『美少女万華鏡』シリーズの最終話です。この第5話は最終話なだけあってシナリオがかなり長く、内容もシリーズの集大成として申し分無い出来でした。ただ、話が長めなぶんだけプレイしていて若干ダレる所があり…

『美少女万華鏡 罪と罰の少女』考察~父殺しの天才~

『美少女万華鏡』第4話「罪と罰の少女」は、全5話の中で一番完成度が高いと思います。美少女ゲームの中にはしばしば並の純文学よりも大きな感動を与える作品が存在しますが、この第4話はまさしくその典型だと思います。中原中也やドストエフスキー、ランボー…

『美少女万華鏡 神が造りたもうた少女たち』考察~有限性の後で~

『美少女万華鏡』第3話「神が造りたもうた少女たち」の舞台は、パンデミックによる滅亡を迎えた後の未来の世界です。コロナ禍が発生するよりも前の2015年に発売されたのに、先見の明が感じられる作品ですね。全5話のうち、この第3話だけ世界観が極度のSF寄り…

『美少女万華鏡 忘れな草と永遠の少女』考察~抑圧されたものの回帰~

今回は『美少女万華鏡』第2話「忘れな草と永遠の少女」を考察します。第2話は第1話と比べて明らかにシナリオが高度になっています。しかし、第2話でも「万華鏡を覗く夏彦が永遠の快楽の世界の片鱗をひとときだけ体験する」という定石は維持されていました。…

『美少女万華鏡 呪われし伝説の少女』考察~ひとときの永遠~

『美少女万華鏡』は、テン年代を代表する美少女ゲームです。このゲームは全5話からなる作品ですが、分割商法により一話ずつ断続的に発売されました。このゲームの特色は、話数が進むにつれてシナリオがどんどん高度になっていく所です。私はこのゲームのシナ…

東浩紀『存在論的、郵便的』第一章の感想と要約

私は今、東浩紀の博士論文『存在論的、郵便的』を読んでいる。とりあえず第一章「幽霊に憑かれた哲学」を読み終わったので、勉強用に書いた感想と要約をここに晒しておく。私は在野のオタクに過ぎないので、感想と要約に変な箇所があっても許してクレメンス…

三島由紀夫「一九七〇年 富士山麓の兵舎より」解説と考察みたいなもの

『新潮』とかいう雑誌の5月号に、三島由紀夫が川端康成に送った手紙が掲載されていた。三島由紀夫は『豊饒の海』という不可解な小説を書いた後、これまた不可解な理由で切腹自殺したことで知られる文豪である。しかし、今回の『新潮』に載せられた手紙を補助…

「ポケモン!きみにきめた!」批評~遅刻から始まる冒険~

www.youtube.com 今回はTVアニメ版ポケモン第1話「ポケモン!きみにきめた!」を批評します。この記念すべき第1話では主人公・サトシとピカチュウの出会いが描かれるのですが、今観ても面白いお話ですねー。特に、「原作ゲームのシナリオとは大幅に異なる脚…

人形の頭髪と材質を語る男。

私は今年の1月、人形を買いました。 この人形の名前は無為美(むいみ)ちゃんと言います。 (命名したのは私) 今回は人形のウィッグと材質について書いてみようと思います。

『青い空のカミュ』超考察~表層の偶然/深層の必然~

『青い空のカミュ』 シナリオ・原画:〆鯖コハダ (C)KAI 2019年3月29日発売 私たちKAIは美少女ゲームが持つ表現性を追求したく。 新たなプロダクトをスタートします。 l'art de la fille アートとしての美少女ゲームをKAIは創造します。 (KAI公式HPより) …

中村文則『悪意の手記』感想や解説みたいなもの

中村文則は、「土の中の子供」と大体同時期に『悪意の手記』とかいう小説を世に送り出した。「土の中の子供」は芥川賞受賞作なのだが、『悪意の手記』は何の賞も受賞していない。しかし、「土の中の子供」よりも『悪意の手記』の方が面白いと私は感じた。な…

『呪術廻戦0』超考察~愛は生を祝福する~

『呪術廻戦0』は呪術師たちの戦いを描いた漫画で、作品の仕様上「呪い」がテーマになっている。しかしこの漫画では、「呪い」だけでなく「祝福」も描かれていると思う。『呪術廻戦0』は、里香に生を「祝福された」乙骨憂太が、自己の生を「祝福する」ように…