前回『無限煉姦』の批評を書き終わったので、今回は今までの美少女ゲーム考察の統括を行います。今回振り返るのは『Maggot baits』『終ノ空』『夢幻廻廊』『無限煉姦』の4本です。 ・『Maggot baits』の考察 amaikahlua.hatenablog.com amaikahlua.hatenablo…
今回は『無限煉姦~恥辱にまみれし不死姫の輪舞~』とかいうノベルゲームを批評する。おそらく皆さんの中には、『無限煉姦~恥辱にまみれし不死姫の輪舞~』というタイトルを見てドン引きした人が少なくないだろう。「こんなゲーム、どうせキモヲタクが性欲…
フランスのノーベル賞作家カミュは、「シーシュポスの神話」という短い寓話を書きました。「シーシュポスの神話」は、人生が上手く行っていない人に読んで貰いたいお話です。上手く行かなくても、人は(たぶん)幸せになれます。 「シーシュポスの神話」(『…
『光輪の超魔神フーパ』(以下『光輪の超魔神』)は、ポケモン映画第18作品です。この映画は、グラードンや黒いレックウザみたいな伝説のポケモンが大量に出現する「伝説祭り」で有名な映画です。正直、伝説のポケモンをいっぱい集めてお茶を濁してるだけの…
『ボルケニオンと機巧のマギアナ』は、ポケモン映画第19作品です。この映画の見せ場は、空中要塞でのメガシンカしたポケモン軍団とのバトルでしょうか。ダイナミックな作画にワクワクしました。ですが、私はこの映画があまり好きではありません。なぜならこ…
『ポケットモンスター キミにきめた!』(以下『キミにきめた!』)は、ポケモン映画20周年記念作品である。この映画では主人公・サトシが「特別な人間」として描かれていると思うし、特別で例外的な出来事の連鎖がこの物語を支えていると思った。今回は「特…
ポケモン映画『キュレムVS聖剣士ケルディオ』(以下『ケルディオ』)を観て、私は大きな衝撃を受けました。 『ケルディオ』はポケモン映画15周年記念作品であり、小学館創業90周年記念企画です。ポケモン映画5周年記念作品『水の都の護神』、10周年記念作品…
今回は、逆転裁判シリーズの歴史を私の独断と偏見で語っていきたい。逆転裁判シリーズの魅力を客観的・中立的な語り口で紹介する記事は、既に他の方々が数多く書いている。だから私は逆転裁判シリーズの歴史を、あえて独断と偏見に満ちた語り口で書いてみた…
『レイトン教授VS逆転裁判』 (C)LEVEL-5, (C)CAPCOM 2012年11月29日発売 おすすめ度:★★★☆☆(ラストの超展開には無理があり過ぎる。ムリムリムリ) 推理と発想の祭典 『レイトン教授VS逆転裁判』は、レベルファイブとカプコンが共同開発したゲームです。文武…
本稿では『終ノ空』琴美ENDの結末における「有限のなかの無限」について考察する。恥ずかしながら、私は琴美ENDのラストを十分に理解していない。しかし「有限のなかの無限」については語れる自信があるので、語ることにしよう。 終わりなき日常を生きろ 琴…
1999年版『終ノ空』琴美ENDは、ニーチェ哲学と密接な関係を持っている。今回はニーチェを補助線にして『終ノ空』琴美ENDを解読しよう。キーワードは「プラトニズムの逆転」「パースペクティビズム」「永遠回帰」「運命愛」である。 プラトニズムの逆転とパー…
長大な考察記事を書き終わって放心状態のわたし オッス!!オラ管理人!!! 唐突ですが、私は今、クタクタに疲れています。 なぜかって? そりゃあお前、2年前の2月1日に書いたゲーム版/小説版『沙耶の唄』の考察記事を根源的大幅加筆修正したからだよ。 (…
私は最近、不安について考える事が多い。とりあえず考えがまとまったので、今回は不安について書いてみようと思う。私が参照するのはハイデガーの哲学、ノベルゲーム『終ノ空remake』、芥川龍之介の文学である。 「不安」と「怖れ」の違い ハイデガーは主著…
「自己犠牲」から「自己保存」へ ママ「サトシ!見てたわよ!なんて危ないことするの!」 カスミ「でも、サトシは、この世界を救ったんですよ?」 ママ「それがなんなの?あなたはまだ子供なんだから、無茶はダメ!世界を救う?命がけでする事?サトシがいな…
「自己犠牲からの復活」という伝統 劇場版ポケットモンスターでは、「自己犠牲からの復活」というモチーフが繰り返し現れる。ポケモン映画第1作『ミュウツーの逆襲』では、ポケモンとコピーポケモン同士の痛々しい戦いを、主人公・サトシが自分を犠牲にして…
やべぇ、『逆転裁判123』と『逆転検事2』は「親殺し物語」だと解釈できることに気付いてしまった。まず最初に、「親殺し」という物騒な言葉の定義を与えなければなるまい。「親殺し」というのは、父親や母親を物理的に殺害することである。それに加えて、父…
amaikahlua.hatenablog.com 私は前回、「自分は間違っていないのに世界が間違っているのならば、世界を変える必要がある」という議題について書いた。しかし、世界を変えるために自分の心を入れ替えなければならない場合はあるし、世界を変革しているうちに…
7月29日に、SWITCH/PS4/STEAM用ゲームソフト『大逆転裁判1&2』が発売される。『大逆転裁判1&2』はもともと3DS向けに開発されたソフトであり、私は既に3DSでプレイ済みだ。おそらく『大逆転裁判1&2』は、今回の移植を機に再評価されるだろう。良い機会なので…
誠に勝手ながら、『夢幻廻廊』の考察を、今回でとりあえず中断することにした。色々世知辛い理由があるので、理由は聞かないでくれ。今回は、『夢幻廻廊』の時間観を考察する。『夢幻廻廊』の時間は平面的に見ると円環時間であり、立体的に見るとおそらく螺…
私が好きなゲームキャラに、『夢幻廻廊』の志乃がいる。志乃は仕事ができない人で、とても辛い過去を背負っているのだが、いつまでも仕事ができないままなのに幸せになることができた人である。 『夢幻廻廊』 シナリオ:伊藤ヒロ、他 原画:椎咲雛樹 (C)Blac…
今回から、ゲーム・文学・哲学・社会学などについて言及しながら、マゾヒズムについて考察していく。マゾヒズムと言うと、鞭でしばかれたり踵で踏まれたりして喜ぶ変態性欲を想起して、嫌な顔をされるかもしれない。しかし、私が追求したいのは人間の心に宿…
『人生の親戚』 大江健三郎 新潮文庫 1994年8月1日初版発行 悲しみ、それは人生の親戚。 この小説には『人生の親戚』という不思議な題名が付いていますが、人生の親戚とは一体何なのか。この小説では、悲しみとは「どのような境遇にある者にもつきまとう、あ…
『69 sixty nine』 村上龍 文春文庫 2007年8月10日初版発行 反権力な自伝的小説 『69』は、1969年に高校生だった村上龍のまわりで起こった事の一部を描いた小説です。この小説の登場人物は、ほぼ全員が実在の人物だそうです。つまり『69』は、村上龍の自伝の…
amaikahlua.hatenablog.com 前回は『逆転裁判 蘇る逆転』を「オトナの世界」を物語るブンガクとして読み解いてみた。今回は『逆転裁判2』をブンガク的に読み解いてみたい。 『逆転裁判2』 2002年10月18日発売(GBA) (C)CAPCOM 闇を精算し、バトンを渡す 『逆…
『逆転裁判 蘇る逆転』 2005年9月15日発売 (C)CAPCOM 天才的なまでの完成度を誇る傑作 久し振りに『逆転裁判 蘇る逆転』を再プレイした。『逆転裁判』は、弁護士と検事が法廷で論戦を繰り広げる「法廷バトル」ゲームである。他のアドベンチャーゲームとは色…
この絵は私が中学3年生の頃に描いた絵です。 今でも気に入っている絵です。
www.youtube.com 今、Youtubeでポケットモンスター第72話「ニャースのあいうえお」が公式に無料配信されている。「ニャースのあいうえお」では、ロケット団のニャースの過去が明かされる。今回は「ニャースのあいうえお」を考察していきたい。 映画『ミュウ…
『個人的な体験』 大江健三郎 新潮文庫 1981年2月25日初版発行 俺たちに翼はない 『個人的な体験』の主人公・鳥は自分の息子が障害児であることに絶望し、現実から逃げようとしました。しかし鳥は終幕で現実に帰る決心をし、責任を持って息子を育てることに…
ノーベル賞作家・大江健三郎は、知的障害のある息子・光の父親です。頭部に異常のある息子が誕生した時の大江氏のショックは凄まじかったらしく、体がうつぶせのまま動けなくなったこともあったとか。大江氏と『個人的な体験』の主人公は同一人物ではありま…
ブックオフに行ったら、『逆転検事』とかいうゲームソフトが290円で売られていたので買った。『逆転検事』は逆転裁判シリーズのスピンオフタイトル、ようは外伝のような作品です。「妙に安値で売られていたし、逆転裁判シリーズの副産物みたいなゲームだから…